産経ニュース

陛下「生前退位」ご意向 長野県内に広がる「驚き」「気遣い」の声

地方 地方

記事詳細

更新


陛下「生前退位」ご意向 長野県内に広がる「驚き」「気遣い」の声

 天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されていることが明らかになり、県内でも14日、衝撃が広がった。天皇陛下は皇后陛下とともに6月上旬、長野市で開かれた第67回全国植樹祭の記念式典出席のため県内を訪問されたばかり。先の信州への行啓で両陛下をもてなし言葉を交した関係者や、両陛下ゆかりの地から驚きや気遣いの声が上がった。

 両陛下は全国植樹祭の記念式典に合せて同4日に県内入りし、2泊3日の日程で精力的に公務をこなされた。随行した県職員は「両陛下は県内各地を移動中も沿道の住民に笑顔で手を振られ、ひとときも休むことがなかった。本当に激務をなされていると感じた。陛下のご希望通りになると良いと思う」と語った。

 両陛下が足を運ばれた高野辰之記念館(中野市)の寺島正友館長(63)は「気配りいただいて物腰が柔らかいのが印象的だった。報道を見て驚いたが、体を休めてもらいたい。また、いつか訪ねていただけるとうれしい」と話した。

 全国植樹祭の記念式典の舞台となった「エムウェーブ」(長野市)の土屋龍一郎社長(54)は「両陛下と初めて話す機会をいただき、その人となりに感銘を受けた。足取りも発言もしっかりされているうえ、両陛下がお互いに支え合って歩くご様子を拝見して感動した。今後も無理なさらず公務にあたっていただければ」とおもんぱかった。

 両陛下は同6日、作家のC・W・ニコルさん(75)が里山再生に取り組む「アファンの森」(信濃町)を散策された。案内したニコルさんは改めてこう敬意を表した。

 「天皇陛下にかけていただいた言葉は一言も忘れない。自然に包まれた両陛下はお幸せそうだった。退位されて体を休め、お好きなことができるのなら、私も日本人としてうれしい。愛し、尊敬していきたい」

 両陛下のロマンスの場所として知られる軽井沢町。当地で開かれたテニス大会で、皇太子時代の陛下が美智子さまと出会い、交際を深められたエピソードは有名で、両陛下は避暑のご静養に度々訪れている。

 藤巻進町長(65)は「ニュースを見て驚いた。今後の動向を見守っていきたい」とコメントした。

 天皇陛下が皇太子時代に教育係と食事に訪れていたという同町の「万平ホテル」元会長の佐藤泰春さん(82)は「ご自身が元気なうちに道を譲りたかったのでは」と推察した。

 両陛下は東日本大震災翌日の平成23年3月12日に震度6強の地震に見舞われた栄村の惨状に心を痛められた。翌年に応急仮設住宅に足を運ばれ、全国植樹祭記念式典直後には長野市内で被災者と懇談された。同村の森川浩市村長(56)は「宮内庁が正式に発表していないのでコメントできない」とした。