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【参院選 神奈川】選択への視点(4)「外交政策」

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【参院選 神奈川】
選択への視点(4)「外交政策」

 ■アジアで指導力発揮を 横浜国大大学院国際社会科学研究院教授 椛島洋美氏(44)

 昨年12月に東南アジア諸国連合(ASEAN)が「ASEAN経済共同体(AEC)」を発足させ、経済統合、社会統合の勢いが増している。日本がこの動きにどう乗っていくか、どのようにしてASEANと共同して自国の力を育むかが課題になる。

 若い人口が多いASEAN市場に切り込む競争力のある産業をつくれるかが問題だ。また、ASEANではトップレベルの大学間でネットワーク作りが進んでいるが、日本は一歩遅れている。いかに優秀な学生を日本に招き、根付いてもらうかを考えていくべきだ。

 日本は今までASEAN諸国から好印象を持たれ、ネームバリューで信用されていた。今後国際社会で発言力を高めようとするならば、今までの印象に加え、アジアで責任を持ちリーダーシップを取っている姿を示すべきだ。

 加えて、平成30年は日中平和友好条約から40周年。今後の中国、ひいてはアジアとの関係をどうするか、どういう立ち位置を取りたいのかを考えるべき時期にある。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効のカギは、日本での国会承認が2年以内に行われるかだ。もう国際社会が待ってくれない中で、TPPのデメリットである農業などの小さな産業分野への悪影響に対し、政府はどれだけ対応するつもりがあるのか。県内は小さな農家が多く、地元の生活と直結した問題だ。

 製造業などはTPPにより恩恵を受けるところがあるが、それでも経済は活発化するというより、現状維持だろう。かつては自動車や家電といった「食べていける」ブランドがあった日本が、21世紀は何の産業で生きていくつもりかを、財源が限られる中で、戦略を立てて分野を絞って考えて行く必要があるだろう。

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【プロフィル】椛島洋美

 かばしま・ひろみ 平成14年、九州大大学院法学研究科を修了。法学博士。15年に横浜国大大学院助教授に就任。26年から現職。アジア太平洋地域の国境を越えた協力の枠組みに政治学の分野からアプローチしている。