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【参院選神奈川 選択への視点】(2)「県内経済」

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【参院選神奈川 選択への視点】
(2)「県内経済」

 ■法人税収入増の流れを 帝国データバンク横浜支店営業部長兼情報部長、臼井治彦氏(52)

 地方の経済環境がインフラ整備の建設需要などに大きく左右されるのに比べ、神奈川県は訪日外国人など多くの観光客が訪れる横浜や箱根の人気観光地を抱えていることや、小売業や製造業など幅広い業種の企業が点在していることもあり、県内経済の先行きの見通しにはやや明るさがみられる。

 県内企業の倒産件数も、平成27年度は前年度比13・6%減の469件となり、6年連続で前年度を下回った。これは、経営不振企業への金融機関の支援が継続されたことや、低金利環境で、資金繰りが緩和されたことなどが影響しているとみられる。

 倒産しないまでも、近年は県内企業の休・廃業数は倒産の2倍程度になっており、特に中小零細企業の「勝ち組」、「負け組」が鮮明化しているともいえる。唯一の技術など独自色を持たない企業は、今後の生き残りは一層厳しい状況になるといえる。

 また、当社が毎月実施している県内の景気動向調査(景気DI)では「50」が景気の良い、悪いの境となるが、前回消費税導入前の駆け込み需要があった26年3月に51・3となった後は50を切り、直近5カ月は45も下回っている。景気マインドは決して良いものとはいえない。

 今回、消費増税が2年半先送りになった。これにより、増税前の駆け込み需要と、その後の大幅な消費の反動減が起こるリスクは回避されたが、先送りされた2年半の期間内に県内企業の業績が向上し、法人税収入が増加する流れができないと、いよいよ県内経済に関しても厳しい状況になるとみられる。

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【プロフィル】臼井治彦

 うすい・はるひこ 昭和63年、帝国データバンク入社。本社業務部、調査部を経て、津、土浦支店長を歴任した。平成28年4月から現職。