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今年も絶滅危惧種「ウチヤマセンニュウ」の群れ 新宮の「鈴島」「孔島」

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今年も絶滅危惧種「ウチヤマセンニュウ」の群れ 新宮の「鈴島」「孔島」

 国のレッドデータブックの絶滅危惧種に指定されている渡り鳥「ウチヤマセンニュウ」の群れが、新宮市三輪崎の三輪崎漁港に隣接する「鈴島」と「孔島(くしま)」に、今年も姿を見せた。「チュリチュリ」と元気な鳴き声を上げている。

 ウチヤマセンニュウは、センニュウ科の夏鳥で、体長は成鳥で約20センチ。ウグイスの仲間で、冬場は中国南部などに生息し、夏場は海を渡り、紀南地方の無人島や伊豆諸島などで産卵するという。

 巣を樹木の低い所につくるため、猫やタヌキ、他の大型鳥類などの外敵となる動物が生息していない環境でのみ繁殖する。環境省のレッドデータブックでは「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」とする「絶滅危惧IB類」に指定されている。

 両島の鳥類の生態調査などを行っている日本野鳥の会県支部が6月中旬に実施した生態調査では、両島合わせて約20羽を確認。6月下旬には、生まれたばかりの幼鳥も数羽確認されたという。

 両島は、昭和7年に同漁港とを結ぶ堤防道路が整備され、歩いて渡れるようになった。同会によると、両島には平成16年から野良猫が住みつき、ウチヤマセンニュウの個体数が減少するなどの傾向があったが、同会と地元住民らが猫を保護するなどし、年々、親鳥の数が増えているという。

 同会の白水博さん(65)は「今後も調査を続け、鳥と島の貴重な環境を守っていきたい」と話した。