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松本空港国際化へ 長野県が方針決定 機能拡充進める 東アジアの観光客ターゲット

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松本空港国際化へ 長野県が方針決定 機能拡充進める 東アジアの観光客ターゲット

 ■国内線も路線増

 県は10日、県営松本空港(松本市)の今後10年間にわたる取り組み方針を決定し、東アジアをターゲットに国際化を図る方向性を明確に打ち出した。平成6年の滑走路延長によるジェット化から22年が経ち、訪日外国人客(インバウンド)の誘致拡大が観光施策の課題となるなか、国際化が前面に示された方針の策定は初めて。県は直ちに調査、検討に着手し、国際ターミナルビルの整備など機能拡充を進める。

 取り組み方針は、(1)国内線の拡充(2)空港の国際化(3)観光拠点としての活用(4)施設機能強化-の4つを柱に、標高657・5メートルと日本一高い場所にある空港として、「山岳高原空港」をコンセプトに打ち出した。

 ただ、空気が薄いことから全長2千メートルの滑走路の実効長は1800メートル程度となり、短い滑走路での離着陸が可能なリージョナルジェット機(50~100席程度)による運用を国内線、国際線ともに基本に置く。

 路線の拡充方針は、26年12月から1年余をかけて実施した需要予測などの調査結果をもとに策定した。

 国際線は台湾や中国、香港、韓国といった東アジアへの観光・ビジネス目的の旅客需要が見込めるとして、直行便の運航や近隣国際ハブ空港の活用により国際定期便を2路線設定し、週4往復を目指す。国際チャーター便は年間100便の運航を目標に掲げた。

 国内線の拡充では、現行は2路線1日3往復の定期便を、4路線1日6往復に増やす。既存路線では、1日2往復の福岡線を3往復とし、1日1往復の札幌線を7~9月に増便する。大阪線は8月のみの運航を通年に復活させる。

 新規路線については、かつて定期便があった仙台や広島を含む地方都市の需要予測調査をもとに、ターゲットを設定して開拓することを目標としている。

 施設の整備では、地形上の制約から計器着陸装置(ILS)は設置できないが、悪天候時の就航率向上に向けて「RNP-AR進入方式」と呼ばれる飛行方法の導入を目指す。同方式は、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を活用した滑走路への進入方法で、国内の空港を中心に利用が広がっている。滑走路の延長は用地確保などの課題が大きく「すぐに実現することは難しい」とした。

 国際線の就航に向けては税関や出入国管理、検疫の常設施設が必要で、これらの機能を持った国際ターミナルビルを開設する。増便が図られた場合、エプロン(駐機場)が手狭になることから拡張が求められる。

 繁忙期に不足する駐車場の増設や運用時間(現行午前8時半~午後5時)の延長、空港から県内各地への二次交通の拡充も必須だ。

 県は近く、松本、塩尻両市とプロジェクトチームをつくり具体的な課題の調査、検討に入る。県交通政策課は「可能なものは前倒しで実施し、全国各地や東アジアと結ぶ空の玄関口として観光のにぎわい拠点としたい」と話している。