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【リオに翔ける】男子競泳・長谷川純矢選手(22)

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【リオに翔ける】
男子競泳・長谷川純矢選手(22)

 ■夢の大舞台“一発勝負”に闘志

 4月に行われたリオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた競泳日本選手権の男子100メートル背泳ぎ決勝。日本水泳連盟が定める派遣標準記録と同タイムの「53秒49」で、夢の代表切符を手に入れた。

 まさに間一髪、“ぎりぎりセーフ”のタイム。「素直にうれしかったが、『オレが?』というふわふわした気持ちもあった」。そう謙遜しながらも、一発勝負の五輪選考で自己ベストの記録をたたき出した自信ものぞかせた。

 日本選手権の決勝では、前半の50メートルを4番手でターン。だが、ラスト15メートルでライバルが失速する中、猛烈な加速をみせ、タッチの差で2位に入った。

 両親に勧められて始めた水泳。小学校入学前だったと思うが、正確な記憶はない。島田市内にあるスイミングスクール「島田チャンピオンスイムスクール」で一日5千メートルは泳ぎ込んで“腕”を磨いた。四肢をうまく動かすことができる柔軟性を備え、4泳法全てを習得。その中から背泳ぎを選んだ理由を聞くと、「背泳ぎが一番タイムが良かった。ただそれだけ」とあっけらかんと答えた。

 小学4年生の時に全国大会に出場。そこである天才スイマーの泳ぎを目の当たりにする。ロンドン五輪400メートル個人メドレーの銅メダリストで、リオ五輪でも金メダルの期待がかかる萩野公介選手(21)=東洋大。学年は自分より1年下だったが、「異次元の選手だった」と当時の衝撃を振り返る。

 尻に火がつき、練習にも力が入った。だが、高校2年生の時にめまいや耳なりに苦しむメニエール病を発症し、十分な泳ぎができなくなった。今でもその症状は残るが、そんなハンディをはねのけ、中京大時代の昨年、ユニバーシアード夏季大会(韓国・光州)で50メートル、100メートルの背泳ぎ2冠を達成。そこから「五輪を意識するようになった」。

 アスリートとしては食が細いといわれる。朝食にロールパン1個しか食べず、萩野選手を驚かせたというエピソードもある。だが、関係者らは「そうはいっても、ここぞというときには抜群の集中力を見せる」と、その食の細さとは裏腹な身体能力の高さに目を見張る。

 「採点競技と違って、自分の努力によって結果が出て、すぐ分かる。競泳だけに限らないが、それが魅力」と話す22歳は、「出場するからには決勝には出たい」と五輪という大舞台での“一発勝負”に闘志を燃やしている。(島田清)