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チャリで縦横無尽“レッドインパルス”参上! 空自高尾山分屯基地

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チャリで縦横無尽“レッドインパルス”参上! 空自高尾山分屯基地

 大空を舞台に華麗な曲技飛行を繰り広げる航空自衛隊の「ブルーインパルス」は有名だが、山陰地方にも“レッドインパルス”が配備されているのをご存じだろうか。一糸乱れぬパフォーマンスで鳴り止まぬ拍手喝采…。ただブルーインパルスと違うのは、操縦する“機体”。マッハ0・9の「T-4」ではなく折り畳み自転車…。そう、彼らが所属するのは航空機の配備がない高尾山分屯基地(松江市)。翼を持たぬメンバーたちだが、大地を縦横無尽に駆け回る魂はアツい。

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 「もっと右!」「タイミングをそろえて」

 高尾山分屯基地の訓練場で、松本尚徳・3等空曹(35)の指示が響く。声の先には、飛行機をかたどったカウルを装着した自転車の一群。正式名称は「高尾山レッドクラブ」。正課の業務ではなく有志の部活動組織だが、「クラブ」は部活動ではなくカニ。チームのトレードマークは「ベニズワイガニ」だという。

 基地では、標高328メートルの高尾山頂付近にあるレーダーサイトで24時間、警戒・監視に当たっている。その任務ゆえ、空自基地なのだが航空機の配備はない。レッドクラブの自転車に装着されているカウルは、空自の主力戦闘機「F-15」がモチーフらしい。

 「発泡スチロールや木材などをうまく組み合わせて手作りしているんですよ」

 クラブリーダーの津森利彦・准空尉(52)が“第一級の軍事機密”をそっと教えてくれた。

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 チームの誕生は、基地開設50周年を迎えた平成16年の「高尾山分屯基地祭」。メインゲストとして、ブルーインパルスが所属する空自松島基地の改造バイク部隊「ブルーインパルスジュニア」を呼んだのだが、開催直前に派遣が難しくなり、あわてた当時の基地司令が自転車による曲技披露を発案し、ポケットマネーをはたいて自転車を調達。急遽(きゅうきょ)、編成された。

 「結局はジュニアも都合がつき、両チームが競演したそうです」と高橋亮吉基地司令(48)。レッドクラブそれ以降、基地祭はもちろん、隣の空自美保基地(鳥取県境港市)での基地開放行事や地元のイベントなどにも出演するようになった。「基地祭に来てもらうため、この基地に親しみを持ってもらうために活躍してほしい」と高橋基地司令。間もなく5日、今年の基地祭を迎える。