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熊谷6人殺害起訴 遺族ら反省ない被告に怒りも

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熊谷6人殺害起訴 遺族ら反省ない被告に怒りも

 熊谷市で昨年9月、6人が殺害された事件で、犠牲になった加藤美和子さん=当時(41)=の夫(43)は20日、同市内で会見し、刑事責任能力の有無が問われていた容疑者の男が強盗殺人などの罪で起訴されたことについて「ほっとした。気持ちを裁判に向けていきたい」と述べた。一方、「検察からは反省の色がないと聞いた。怒りしかない」と妻と娘2人を失った無念を改めて訴えた。(宮野佳幸)

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 「無事に起訴されたよ」。同日昼、県警から起訴の連絡を受けた男性は、実家の仏壇の前で美和子さんと長女の美咲さん(10)、次女の春花さん(7)=いずれも当時=に報告したという。

 起訴されたペルー人の住所不定、無職、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(30)については口を真一文字に結び「一番重い罪を課されるのは当然だ」「とにかく悔しい。この手で殺してやりたいほど憎い」と胸中を吐露した。

 ショックから手を着けられなかった遺品整理も、1カ月ほど前に始めることができた。今月8日には「いつか家族で行こうね」と美和子さんと言いながら果たせなかった東京ディズニーランドに、3人の写真とともに自転車で行った。今は趣味の自転車仲間が心の支えになっているという。

 裁判は被害者参加制度を利用して傍聴する意向。「なぜ私の家族が命を奪われたのか、殺害されたとき妻と子供は何を言っていたのかを聞きたい。真実を明らかにしてほしい」と語った。

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 ■被害者宅から現金と包丁持ち出す

 ナカダ被告の起訴状からは、ナカダ被告が犯行後に被害者方から現金を奪っていたことや、凶器の包丁2本がいずれも被害者方から持ち出されたものだったことが明らかになった。

 起訴状によると、ナカダ被告は無施錠の窓などから3軒に侵入。6人の胸や腹、首などを包丁で刺したり切ったりして殺害し、現金約9千円やスマートフォン、包丁2本などを奪った。さらに白石和代さん=当時(84)=や加藤さん母娘の遺体を殺害現場とは別の場所に移動させ、フロアマットや毛布などをかぶせて隠したとしている。