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スタイル変えずバトンつなぐ テレビ静岡の長寿番組「テレビ寺子屋」収録2000回目

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スタイル変えずバトンつなぐ テレビ静岡の長寿番組「テレビ寺子屋」収録2000回目

 フジテレビ系列を中心に、全国25局ネットで放送されている長寿番組「テレビ寺子屋」(テレビ静岡制作)が今月7日、収録2000回の節目を迎えた。同番組は昭和51年の放送開始以来、毎回豪華ゲストを講師に迎えて、子育てや教育に関する情報を講演形式で発信。セットは黒板のみという内容勝負の武骨な番組づくりが支持されており、関係者は「このままスタイルを変えず、3000回にバトンをつないでいきたい」と胸を張る。

 ◆「教育」民放で珍しく

 テレビ寺子屋は昭和51年4月、テレビ静岡のローカルワイドショー「マイしずおか」内の教育講座として放送が開始された。当初は県内の小学校校長や大学教授を講師に招き、家庭教育をテーマに講演するというものだったが、視聴者からの反応は今ひとつ。そうした中、児童文化研究家の吉岡たすく氏と北海道教育大教授の坂東義教氏(いずれも故人)が番組の2本柱となり、名物講師として次第に主婦層の人気を集めるようになった。

 放送開始直後から制作に携わる渡辺雅彦プロデューサー(62)は、「最初のコンセプトは『いかに制作費をかけずに長時間の番組をつくるか』だった」と明かす。しかし、翌52年に30分番組として独立すると、民放では珍しい教育番組だったこともあり、たちまち全国16局ネットで放送されることに。他局に先駆けて手話通訳付き放送を導入し、58年にはギャラクシー賞特別賞、62年には日本民間放送連盟賞(テレビ放送活動部門)を受賞した。

 ◆講師選びは最大の肝

 番組の最大の肝は、「スタッフが実際に講演を聴いてから依頼する」という講師選びだ。小学校の体育館や公民館でのノーカットの公開収録で、セットは黒板のみというシンプルな構成だけに、講師の話力が番組の出来を左右する。

 これまでに迎えた講師陣は、落語家やタレントといった話芸のプロから、女優やスポーツ解説者までジャンルもさまざま。今後は福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治氏や、宇宙飛行士の山崎直子氏にも講師を打診しているという。

 ◆子供の目線 大事に

 今月7日に静岡市駿河区のテレビ静岡で行われた2千回目の収録では、VTRで往年の吉岡氏の講演を振り返った。元小学校教諭の吉岡氏は、無口でおとなしかった女児が花壇の世話係になったことをきっかけに、全校生徒の前で「つぼみを取らないで」と叫んだエピソードを披露。時折軽妙な笑いを交えながら、「人間は場を与えられれば、必ず活躍できる」と熱弁を振るった。同回ゲストでミュージシャン・子供サポーターの山田パンダさん(71)は「一貫して子供の目線を大事にする吉岡さんの姿勢こそが『寺子屋』のルーツ。自分も番組が続く限り出演したい」と語った。

 テレビ寺子屋は毎週日曜朝6時半(静岡地区、再放送は水曜深夜26時5分)から放送している。収録2千回目のオンエアは9月中となる予定。