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今年は「国際マメ年」…大阪でイベント、消費アップへ業界など始動

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今年は「国際マメ年」…大阪でイベント、消費アップへ業界など始動

 今年が国連の定めた「国際マメ年(ねん)」だとご存じだろうか。栄養価が高く、古代から人類に「不可欠な食べ物」でありながら、食生活の変化で世界的に消費が落ち込んでいるマメの価値を再認識しようというのがその狙いだ。日本でも近年は「調理法が分からない」と敬遠する声も多く、業界関係者らは「この機会にマメの魅力を広めたい」と各地で活動を始めている。

 大豆と豚肉のみそ炒め、紫花豆(むらさきはなまめ)の煮物、レンズマメのサラダ、ぜんざい…。先月末に大阪市内で開かれたイベントには20種類以上のマメ料理が並んだ。国際マメ年を踏まえ、マメの良さを改めて見直そうと、関西を中心に活動する「日本の伝統食を考える会」が開催。会員ら約30人が持ち寄った料理を味わいながらレシピを紹介しあった。今回初めてマメ料理に挑戦した柴薫さん(45)は「こんなにいろいろな料理があったなんて! マメの印象が変わった」と目を輝かせた。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、マメはタンパク質やビタミンなどの栄養素が豊富で、乾燥させることで長期保存が可能。乾燥地帯でも栽培できる上、微生物の働きで土壌を肥沃(ひよく)にする作用もあり、「消費者にとっても生産者にとってもいいことづくし」(FAO関係者)の作物だ。

 紀元前7千~8千年には農業生産されていたとみられ、貴重な栄養源として発展途上国を中心に世界中で食べられてきた。しかし、近年は多くの国で肉中心の食生活に変わり、世界的に消費が低下している。

 日本人にとって最もなじみ深いマメは、豆腐やみそ、納豆などの原料にもなる大豆だ。だが、国際的には大豆は食べ物ではなく油を抽出するための作物であり、国連が定義する「マメ」には含まれない。また「マメ」は乾燥させた豆類のみを指し、生で出荷された空豆などは野菜になる。

 日本の食卓に欠かせない大豆でさえ、この10年間で国内消費が約10%減少するなど、マメ離れに歯止めがきかないのが現状だ。

 マメを使うハードルとなっているのが乾燥状態にあることだ。「調理前にまず水で戻す必要があるため、『手間がかかる』と避ける人が多い。本当は便利な食材なのに…」と歯がゆい思いでいるのはマメの普及に取り組む日本豆類協会(東京都)の振興部長、中村利男さん(61)。同協会は国際マメ年という絶好の機会に、ホームページやイベントでの情報発信を充実させ、短時間でマメを戻すテクニックなどの“豆知識”を広めたい考えだ。

 ブログでマメ料理のレシピを紹介し「豆・豆料理探検家」を名乗る五木のどかさんは、マメの使い方を紹介するイベントを奈良市内で6月5日に開催。FAO駐日連絡事務所(横浜市)も秋のイベント開催を検討するなど、マメの魅力を広める動きが拡大している。

 中村さんは「日本では大豆も大切なマメの仲間。今年をきっかけに、マメ全体を盛り上げていければ」と意気込んでいる。