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大田区「民泊」3カ月 仲介サイト社長「認定物件は少ない」

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大田区「民泊」3カ月 仲介サイト社長「認定物件は少ない」

 ■規制緩和と取り締まり強化を

 大田区が国家戦略特区の規制緩和を活用し、一般住宅に有料で観光客らを泊める「民泊」事業を1月29日にスタートさせてから約3カ月。最初に認定を受け、同区内で民泊事業を手掛ける民泊仲介サイト運営会社「とまれる」(千代田区)の三口聡之介社長(40)は「認定物件は少ない」とし、合法民泊の拡大に向け、関連法の規制緩和と違法民泊の取り締まり強化を提言する。(植木裕香子)

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 --自社で民泊施設として申請し、認定された一戸建てとアパート計2施設の予約状況は

 「3月23日に予約を受け付けてから1週間後の30日には、予約が入っていた。海外の人は1カ月前に搭乗する飛行機を決め、その後に宿泊施設を決めると考えていたので、こんなに早く予約が入るとは思わなかった。今、ロシアや上海などの外国人を含む計10組から予約が入っている。手応えを感じている」

 --区で民泊事業に取り組む際に注意した点は

 「一戸建て物件に関しては計5回にわたり周辺住民への説明会を開催し、騒音やゴミ出しなどについて丁寧に説明した。その結果、2月に区の認定を受けてから1カ月たってようやく事業を本格開始することになった。アパート物件の方で、設備のことで問い合わせがあったが、一戸建て物件の周辺住民から苦情は寄せられていない」

 --4月28日時点で、区の認定施設は12件35部屋だが、どう思うか

 「区から認定された事業者で、わが社が相談に乗った物件を仲介サイトに載せている。現在は約30部屋。相談が約900部屋あったことを考えると、認定物件はかなり少ない。当初、3月末ごろまでに100部屋くらい掲載できると思っていたので、認定されるペースも遅い」

 --民泊事業が進まない背景をどう考えるか

 「法規制に問題があると思う。例えば、消防法では一般住宅だと火災報知機が付いているが、民泊施設として運営する場合、自動火災報知機を整備しないといけない。また、41戸あるマンションをまるごと民泊施設にしようと思ったが、全部屋にスプリンクラーを付けなくてはならず、計3億円かかると言われて断念した。整備費用が高額で断念するケースは多い」

 --法規制を緩和すれば合法的な民泊が増えるか

 「増えると思う。合法の特区民泊は旅館業法の適用から除外されているはずなのに、消防法だけ『旅館』と同じ基準が定められているのはおかしい。モノやサービスなどを個人や企業の間で交換・共有する『シェアリングエコノミー』的な観点でいくと、海外出張などで家を空ける1カ月だけ民泊にしたいときに余計な投資をすることはばからしい。民泊事業が拡大すれば宿泊者も増え、地域経済に好影響をもたらす可能性だって出てくるのにと思う」

 --行政は、法規制を緩和した場合の治安悪化などを懸念している

 「緩和するだけでなく、違法民泊の取り締まりを強化すればいい。民泊仲介サイトによっては予約完了まで相手の住所が分からないケースもあり、実態把握が難しいものもあるが、方法がないわけではない。今後、合法民泊に取り組む人が損をしない環境を整備することが重要になる」