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日本遺産に「信濃川流域の火焔型土器と雪国文化」

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日本遺産に「信濃川流域の火焔型土器と雪国文化」

 文化庁が25日認定した「日本遺産」に新潟、三条、長岡、十日町の4市と津南町が共同で提案した「『なんだ、コレは!』信濃川流域の火焔(かえん)型土器と雪国の文化」が本県で初めて入った。5市町は認定された縄文文化のストーリーを世界に向けて今後アピールし、2020年東京五輪・パラリンピックを機に日本を訪れる外国人観光客を呼び込みたい考え。「日本遺産の名に恥じない取り組みを進めていきたい」(関口芳史・十日町市長)と意気込んでいる。

 日本遺産は地域の歴史的な魅力や文化財をテーマにした文化・伝統のストーリーを認定し、観光客を地方に呼び込もうとする文化庁の観光戦略の一環で、昨年から始まった。

 今回認められた5市町のストーリーは、信濃川と冬の雪という環境の中で形作られた縄文文化を「日本文化の源流」と位置付け、特徴的な文化財として火焔型土器を前面に押し出している。この土器を見て、美を見いだした芸術家の岡本太郎氏が叫んだとされる「なんだ、コレは!」という言葉をタイトルに引用した。

 また、信濃川流域には清津峡(十日町市)や河岸段丘(津南町)、弥彦山(弥彦村)、角田山(新潟市西蒲区)といった縄文時代から手つかずのまま残る景観があり「5千年前と変わらぬ風景を追体験できる」と強調している。

 認定について、十日町市の関口市長は「大変喜ばしく、素晴らしい縄文文化を日本遺産として世界に発信することは国益にかなう」と歓迎のコメントを発表。同市教育委員会文化財課の担当者は「訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致に弾みをつけ、地域活性化につなげたい」とした。

 津南町は「地元の歴史的な文化遺産に誇りを持ち、後世に伝える意識を高めるきっかけになる」(町教委文化財班の担当者)と強調し、「観光地としての認知度を高める取り組みにも弾みがつく」と喜んだ。

 新潟市観光政策課の佐久間由紀恵課長は「面として歴史を掘り下げた魅力的なストーリーを、国内外に認知してもらいたい」と話すとともに、東京五輪・パラリンピックの聖火台に火焔型土器の造形を採用するよう働き掛けている関係自治体の思いが実現する契機になることに期待を示した。

 既に5市町は信濃川火焔街道連携協議会を作り、文化財を訪ねるツアーも展開しており、認定を弾みに首都圏や海外からの観光客増加を狙う。5市町の首長は5月11日に津南町で開く「縄文サミット」で日本遺産認定を活用した地域活性化をめぐり意見を交わし、具体策を打ち出す予定だ。