産経ニュース

【熊本地震】静岡県が建築物危険度判定士資格持つ職員12人派遣

地方 地方

記事詳細

更新

【熊本地震】
静岡県が建築物危険度判定士資格持つ職員12人派遣

 県は15日、熊本地震で被災した建築物が余震に耐えられるかどうかを判断するため、「地震被災建築物応急危険度判定士」の資格を持つ県職員延べ12人を熊本県に派遣することを決めた。派遣期間は16~23日で、熊本県の災害対策本部からの要請を受けて決定した。

 本県と熊本県は大規模災害時に互いを支援する「災害時相互応援協定」を締結しており、職員の派遣は同協定に基づく支援の一環。

 県はこれに先立ち、15日に県危機管理部の職員2人を情報収集のため熊本県庁に派遣。派遣された2人は両県の連絡役として被災地が必要としている人員や物資を聞き取り、支援方法を調整する作業に入った。

 熊本地震の発生を受け、県は15日午前に県幹部を集めて臨時の危機管理連絡調整会議を開催。現地の被害状況や支援要請の情報を共有し、支援方法を確認した。

 静岡空港については、遠隔地から被災地へと向かう物資輸送の中継地として活用できるよう、県が準備を進める。県企業局には日本水道協会福岡支部から、給水車が足りなくなれば支援してほしいという要請が来ており、県内の災害派遣医療チーム(DMAT)に対しても一時待機要請が出された。

 外岡達朗・県危機管理監は各関係機関に、「今後さまざまな要請があると考えられるので、しっかり準備してほしい。週末の連絡態勢を確認してほしい」と要請。「熊本県は遠隔地ではあるが、できることがあれば速やかに対応したい。本県でもいつ災害が起こるか分からないので、他人事ではない」と訴えた。

 川勝平太知事も同日、記者団に「(被災地が)早く復興できるように、本県としても具体的な救援活動に参加したい。天災は忘れたころにやってくる。私たちももう一度しっかり自覚して備えるべきだ」と語った。

                   ◇

 ■知事「お心察する」 両陛下訪問取りやめ

 川勝平太知事は15日、天皇、皇后両陛下が同日に予定していた静岡市訪問を取りやめられたことについて、「両陛下が熊本地震に大変お心を痛められているとお聞きした。両陛下のお心をお察しし、ともに熊本の方に思いをいたしたい」と述べた。「準備した全ての方にくれぐれも感謝の念を伝えてくださるように」という両陛下のお言葉を同日午前、河相周夫侍従長から伝えられたという。

 静岡市の田辺信宏市長も「被災した熊本県民の方々にお見舞い申し上げる。両陛下が(静岡市訪問を)お取りやめになるお気持ちは、心に伝わってきた」とするコメントを出した。

                   ◇

 ■建物倒壊被害は県内でも起こりうる 静岡大防災総合センター・牛山教授

 南海トラフ巨大地震が発生した場合、甚大な被害が想定される静岡県。14日夜に発生した熊本地震を受け、防災情報に詳しい静岡大防災総合センターの牛山素行教授(47)に、今回の地震の特徴や県内での防災対策に生かすべき教訓などを聞いた。

 --今回の熊本地震の特徴は

 「震源の浅い直下型の地震で、最大震度7が観測されたのはごく狭い範囲。県内で発生が想定されている南海トラフ巨大地震や東日本大震災などと比較すると、中小規模の災害といえる。ただ東日本大震災では地震の揺れによる人的被害が少なかったのに対し、熊本地震では建物倒壊で死者が出ており、平成16年の新潟県中越地震や19年の新潟県中越沖地震の被害に近い」

 --建物倒壊への対策は

 「熊本地震では古い木造家屋を中心に倒壊しており、建築基準法の改正以前に建てられた住宅の耐震化を進めることが必要だ。本県でも、県民意識調査で耐震診断の実施率は2~3割にとどまっているが、地震防災の一丁目一番地は自宅の耐震化。避難所に行かなくても済むように、耐震化など壊れにくい建物に住むことが重要になる」

 --建物の火災も発生した

 「慌てて火を消すことはけがにつながりかねない。火の始末をするのは、揺れの続く危険な状況下ではなく、揺れが一段落してからにしてほしい。また、停電後に電気が復旧すると、家電製品などがショートして通電火災が起きる可能性もある。自宅から避難する際には、忘れずにブレーカーを切ってほしい」

 --発生時刻が午後9時すぎになった影響は

 「まだ起きていた人が多い時間帯だったが、その分外出中の人も多かった。外出先では建物の状況をよく見て、建物の外に出る場合には、物が落ちてこないような広い場所に避難してほしい」

 --インターネット上では「原発で火災が起きた」などのデマも広まった

 「災害時には不確定な情報が拡散されがちだが、ネットが普及したことで、市民が公的機関の一次情報に接することも容易になった。まずは情報の出所を調べ、一番初めに発信された情報を確認してほしい」