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元五輪選手が陸上部顧問に 東舞鶴高の山口教諭、はや手応え 京都

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元五輪選手が陸上部顧問に 東舞鶴高の山口教諭、はや手応え 京都

 ■「意識変われば実力ついてくる」 

 舞鶴市出身でアテネ五輪の陸上競技4×400メートルリレーで4位入賞した山口有希さん(32)が今年度、東舞鶴高(舞鶴市泉源寺)の教諭に採用され、陸上部の顧問に就任した。さっそく陸上部の指導をスタートした山口さん。「陸上競技は努力すれば、必ず自分が変わったと思える瞬間がある。東高の選手たちにもその瞬間を味わってもらいたい」と、早くも手応えを感じている様子だ。

 山口さんは8日も、同校のグラウンドで陸上部の選手たちを熱心に指導した。しかし、表情はあくまでもやさしく。「生徒たちに陸上を好きになってもらいたい」と考えているからだ。ハードルを使って選手一人一人に、体の軸を意識することや股関節の使い方を繰り返し指導した。

 同校の陸上部に所属する選手は現在6人。5月3日に迫ったインターハイの両丹予選に向け練習を続けている。同校関係者も「正直あまりレベルは高くない」というが、山口さんは「みんな素直で陸上が好きなのがよくわかる」と話す。「これまで陸上専門の指導者がおらず、練習も何のためにしているのかわかっていなかったはず。意識が変われば必ず実力がついてくる。それができなければ、私の指導者としての実力がなかったということ」ときっぱり話す。

 山口さんが本格的に陸上を始めたのは、舞鶴市立城北中のころ。指導者にも恵まれ、洛南高、東海大、大阪ガスと陸上のエリートコースを歩んだ。この間、五輪以外にもユニバーシアードやアジア選手権などで活躍。400メートルの自己ベスト45秒18は今でも、ジュニアの日本記録として残る。

 ロンドン五輪の選考に漏れた平成24年に引退を決意。その後は大阪ガスの社員としてフルタイムで働き、休日に大阪大学陸上部のコーチをする以外は陸上から離れた生活を送った。しかし、国立大の選手が山口さんの指導でどんどん変わっていく姿に心を動かされたという。

 「自分の影響で選手たちが伸びていく姿を見て、もっと影響力が発揮できる高校生の指導がしたい」と、府教委のスペシャリスト選考を受験。東舞鶴高に赴任が決まったのは偶然というが、「せっかく戻ってきたのだから何とか地元の役に立ちたい」と意気込む。

 将来の目標は五輪に出場する選手を育てること。「どんな形でもいいから五輪選手の育成にかかわりたい。やはり五輪はスポーツマンにとって特別の場所ですから」と笑顔で語った。