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【とちぎ解剖】日本人向け接待に商機 クラブ「花れん」代表松尾英子さん

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【とちぎ解剖】
日本人向け接待に商機 クラブ「花れん」代表松尾英子さん

 ■ベトナムに熱視線、若い世代も進出 北関東3県、ハノイにアンテナ店

 成長著しく消費市場として注目されているベトナムに県内企業が熱い視線を送っている。販路開拓や店舗進出への動きがあり、県は茨城、群馬両県と連携してアンテナショップを期間限定で出店する。一方、起業を目指す若い世代もベトナムに注目。宇都宮で飲食店を経営する30代の女性が単身渡航、飲食店を開店する計画だ。日本文化や栃木の良さをアピールしようと意気込んでいる。

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 ベトナム・ハノイに日本料理を中心とした飲食店を出店するのは、宇都宮本町のクラブ「花れん」代表の松尾英子さん(34)。今月末で店をスタッフに譲り、4月に単身、ベトナムに渡る。英語や中国語が堪能で「いつかは海外で仕事をしたいと考えていた」といい、数年前から東南アジア各国を視察してきた。

 ハノイは日本人向けカラオケ店は多いが、ビジネスの接待に使える店は少ないと感じた松尾さん。今後、日本企業の進出に伴って需要も高まると、商機を見いだした。現地に進出した日本企業の経営者や駐在の日本人ビジネスマンが安心して接待などに使える店を目指す。現地スタッフは日本語を学ぶ女性らを雇用する計画だ。松尾さん自身は今の店と変わらず、和服姿で日本のおもてなしをアピール。結城紬(つむぎ)や真岡木綿の着物も取り入れたいという。

 また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉の結果、ベトナムは日本酒の関税を撤廃することになった。追い風を機に、栃木の地酒を取り寄せて提供する。

 日本への関心は高い地域で「日本人と分かると、知りうる限りの日本語で話してくれ、日本人が愛されていると感じる国。交流イベントなど日本文化を広める活動にも参加したい」と、茶道や着付けを通して、日本の良さを知ってもらおうと意気込む。

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 県は今年夏ごろ、茨城、群馬県と合同でベトナム・ハノイ郊外の大型ショッピングモールの一角に各県の特産品などを販売するアンテナショップを開設する。各県の企業の販路開拓を支援しようという試みで、来年2月ごろまでの期間限定での開店となりそうだ。北関東3県合同の海外アンテナショップ出店は初めて。

 TPPに参加するベトナムについて、県国際課は「これから経済成長が見込まれ、商品の販路としてもターゲットになる」として、他地域に先駆けて新しい市場へ進出する足場を築く狙いがある。

 各県10社前後の出品企業を募集。菓子類や地酒、麺類など加工品30品目を取り扱う予定だ。消費者へのアピールのほか、地元レストランに県産品を売り込む。また、「東京に近く、世界遺産もある。温泉や紅葉、雪景色も東南アジアの人々にとって珍しく、アピールできる」と観光への効果も期待できるという。

 北関東3県で連携する目的はリスク分散、回避のほか、「品数が豊富になってPRしやくするなるし、ノウハウ共有や輸送コストでもメリットがある」としている。

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【用語解説】ベトナム

 国名はベトナム社会主義共和国。人口は約9250万人(2014年時点)。ベトナム戦争終結後の1976年に南北ベトナムが統一された。86年以降、改革・開放路線「ドイモイ(刷新)」政策を打ち出し、社会主義型市場経済を目指す。東南アジア諸国連合(ASEAN)には95年加盟。首都は北部のハノイ市。南部の経済都市、ホーチミン市が最も人口が多い。既にイオンがショッピングモールを出店。2017年度にセブン-イレブンが進出する。