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野良猫に無償で不妊・去勢手術 上尾市と獣医師協会が県内で初の協定

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野良猫に無償で不妊・去勢手術 上尾市と獣医師協会が県内で初の協定

 飼い主のいない野良猫を増やさないため、上尾市と上尾伊奈獣医師協会は、同協会が無償で不妊・去勢手術を実施することを定めた協定に調印した。実施にあたっては市民の協力を得て野良猫を捕獲し、手術後は再び地域に戻す。同様の協定は県内では初めてという。(石井豊)

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 市などによると、同市内の野良猫の生息数は不明だが、「餌やりをしても面倒をみない人がいる」「敷地に入り糞尿(ふんにょう)をする」などの苦情、相談が年間数十件ある。同市内のさいたま水上公園と上尾運動公園では平成25年度から3年間、県が助成する地域猫活動のモデル地区指定を受け、最大25匹いた野良猫の不妊・去勢手術が行われている。

 県によると、県内では迷い犬や野良猫が繁殖するなどで26年度は約2千匹の犬や猫が殺処分されたが、その8割は子猫。野良猫に不妊・去勢手術をすることで、地域に戻しても子猫が増えないため、殺処分も大幅に減少するという。

 今回の協定では、同市内に生息する全ての野良猫が手術の対象。市民が野良猫の手術を市に書面で申請し、市側が飼い主がいないことなどを確認した上、申請者が猫を捕獲。市は獣医師と協議し手術日程などを調整、市は猫を受け取って動物病院に搬入し、手術後は市が申請者に引き渡す。

 獣医師は手術を行う前に猫の体内に飼われていることを示すマイクロチップが装着されていないか確認。不妊・去勢手術をした証明として、猫の耳の一部をV字にカットする。

 同協会によると、猫の不妊・去勢手術は雌が2万~3万円、雄は約1万円の費用がかかるが、全て無料で引き受ける。手術は8人の会員が交代で担当する。協定の有効期間は4月1日から1年間で、その後も更新できる。

 16日に行われた調印式で、島村穣市長は「無料で手術をしていただき大変ありがたい。飼い主のいない猫がいなくなるように今後も協力をお願いしたい」と感謝を表明。将来的には手術代などの補助を検討する考えを示した。

 同協会の藤倉勉会長は「これからもかわいそうな命を増やさないように、そして公衆衛生の面でも有効なので、会員みんなで実行していきたい」と語った。