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【上州この人】学科新設、地域医療を担う 群馬パース大学長・栗田昌裕さん(64)

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【上州この人】
学科新設、地域医療を担う 群馬パース大学長・栗田昌裕さん(64)

 医療系に特化している群馬パース大学(高崎市岩押町)が平成29年4月に放射線学科(定員70人)と臨床工学科(同50人)を新設する。これで看護、理学療法、検査技術に加えて5学科体制になるが、学長の栗田昌裕さん(64)に新設の経緯や意義などを聞いた。(椎名高志)

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 --学科新設の経緯を教えてください

 「24年にパースグループ創始者の樋口建介さんが作った100年構想があり、グループの4法人が未来へ向かってそれぞれビジョンを持っている。パース大も多学科というプランの実行という形で内部検討のうえ、診療放射線技師を目指す放射線学科と臨床工学技士を目指す臨床工学科を絞り出した。共に高度な医療専門職だ」

 --2学科にした決め手は何でしょう

 「時代のニーズを見ながら学生が集まるか、教員が集まるか、就職口があるかの3点をポイントに検討した。近県も含めた約1万6千人の高校2年生と医療機関や企業など2243施設へのアンケートを実施、募集も就職も可能ということを確認した」

 --アンケート結果はどうでしたか

 「放射線学科では153人、臨床工学科では52人の進学希望があり、就職口でも83人と67人の受け入れがあった。1期生がカバーできた形で、今後も広がっていくだろうと考えている」

 --設置の意義をどう捉えていますか

 「放射線学科は県内には県立県民健康科学大にしかなく、臨床工学科は皆無。専門医療的な職業を目指す学生の多くは県外に行くしかなく、県内に戻るケースは少なかった。県内に学びの場を提供することにより、群馬で仕事を始め家庭を作り始めることにつながる。間接的に地域創生に貢献することになる。関東地方に専門の大学が加わることは大きな意義がある」

 --学生にとってのメリットは何でしょうか

 「在学中に複数の科の学生と交流することで医療を多角的に見る見識やチーム医療へのセンスを養うことができる。卒業生が県内や近県の医療施設に就職すれば、よく知ったメンバーとチームで治療することが現実になる」

 --大学にとってはどうですか

 「校舎が増え、施設面での充実が図られるのはもちろん、指導陣のより多彩な充実で指導の一貫性や信頼性が高まる。研究面でも領域が広がり層が厚くなるだろう」

 --教職員スタッフは何人増え、どんな授業が行われるのでしょうか

 「放射線学科で13人、臨床工学科で10人。放射線学科では囲碁を講義に入れることが決まっている。囲碁は広いスペースでさまざまな戦略を同時進行していく。病院で多様なニーズが寄せられたとき、放射線技師が戦略的に動くセンスを養うのが目的だ。臨床工学科でも実習の時間をしっかり多く積ませるプランがあり、ユニークな指導方針を楽しみにしている」

 --今後の大学の姿は?

 「思いつきではなくビジョンに沿い必然性を持って増部増科に取り組む。群馬県の地域医療を担っていく」

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【プロフィル】栗田昌裕

 くりた・まさひろ 昭和26年、愛知県知多市出身。49年に東大理学部数学科、57年には同大医学部医学科卒。東京警察病院内科勤務や東大医学部第二内科助手などを経て平成17年4月に群馬パース大学教授、26年4月から学長に。栗田式能力開発法を提唱、指回し体操の発明者としても知られる。旅をするチョウ、アサギマダラの調査も行っている。