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琵琶湖の漁の担い手確保へ 県、HP開設や研修先紹介

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琵琶湖の漁の担い手確保へ 県、HP開設や研修先紹介

 後継ぎ不足に悩む琵琶湖の漁業を守ろうと、県は来年度から新規就業者の確保に乗り出す。漁業は親子で代々受け継がれるのが一般的で、新たに一から始めようとしても技術の習得などのハードルが高く、なかなか就業につながらないのが実情だ。県は漁業の研修先を紹介するなど漁業に興味を持つ若者の受け皿を作ることで、漁師の減少に歯止めをかけたい考えだ。

 琵琶湖の漁業就業者数は減少の一途をたどっており、農林水産省の統計によると昭和43年に2926人だったのが、平成25年は687人まで激減。高齢化も進んでおり、65歳以上が6割近くを占める。魚の生息数の減少や職業の多様化などによって漁師の子供が後を継がないケースが増えていることが原因という。

 近年は稚魚の放流や外来魚の駆除、環境保全など魚の生息数の回復に向けさまざまな取り組みが行われているが、肝心の漁業就業者数が増えないため、今後も漁獲量の先細りが懸念されている。

 一方で、最近では農林漁業に関心を示す若者も増えているといい、県水産課へ「琵琶湖で漁業を始めるにはどうしたらいいか」といった問い合わせが年に数件程度あるという。

 こうした状況を踏まえ、県は来年度から担い手確保の体制づくりに着手。他府県の先進事例を参考にしながら、漁業の担い手を募集するホームページを開設するとともに、研修の受け入れ先となってくれる漁協を探す。関連事業費として、来年度当初予算案に692万円を計上している。

 さらに29年度以降は本格運用を開始。年間26人の研修生を受け入れ、現場で沖曳網漁業や真珠養殖業、刺し網漁業などの研修を行う。32年度までに計110人の受講者を見込んでおり、研修後は希望者に中古漁船・漁具の購入先や、移住先の情報提供も行う予定だ。

 県水産課の担当者は「琵琶湖の漁業は場所も都心部から近く、他の場所での漁業に比べても就業しやすいと思う。漁師になってもらう人を増やし、滋賀の食文化を下支えする琵琶湖の漁業を守りたい」と話している。