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楽天なと長野県、イヌワシ保護へ協定 巣修復や給餌

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楽天なと長野県、イヌワシ保護へ協定 巣修復や給餌

 絶滅危惧種のイヌワシを守ろうと、インターネットサービス大手の楽天(東京)、県内で保護活動を行う長野イヌワシ研究会、県の3者は19日、具体的な保護事業に取り組む内容の協定を締結した。県自然保護課によると、生物の多様性を守るために企業や自治体などが環境保全や森林整備に協定を結んで取り組む事例は多いが、特定種の保護に向けて企業、保護団体、行政が巣の修繕などの事業を特定して協定を結ぶのは全国初だという。

 イヌワシは全国に500羽余が生息するとされるが、同研究会によると、県内では20羽弱が確認されている。人が近づけない山岳の岩壁に設置された巣が厳しい自然条件のために崩壊したり、放置された森林で小動物が減少して十分な餌が確保できなかったりすることで、イヌワシの繁殖率は急激に低下している。

 楽天は、プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のマスコットキャラクターがイヌワシをモデルにしていることから、生息環境がある森林の整備活動を21道県で展開している。今回の協定締結は、昨年の全国フォーラムを通じて同研究会の活動を知るなかでまとまったもので、巣の修復活動や人工給餌(きゅうじ)に5年間にわたり資金援助する。

 同研究会の片山磯雄代表によれば、楽天からの資金援助により県内4カ所の岩場にある巣棚で、崖下に落下しないように金属製の土台を専門のクライマーに依頼して設置。また3組のつがいに対し有害鳥獣駆除により捕獲されたニホンジカやイノシシの肉を繁殖期の11月から巣立ち後の7月まで与える人工給餌を行う。

 一方、県は19日、京浜急行電鉄グループ(東京)との間で県内にある同社系列ゴルフ場の売上金の一部を子供たちの環境学習活動に資金提供する協定を締結。県内の山岳に地球温暖化調査のモニタリングカメラを設置する国立環境研究所(茨城県つくば市)との間でも画像活用と情報共有などを行う協定を結んだ。