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「水害時、逃げ遅れゼロ」目標 常総など10市町、「減災対策協議会」初会合 茨城

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「水害時、逃げ遅れゼロ」目標 常総など10市町、「減災対策協議会」初会合 茨城

 昨年9月の東日本豪雨で大きな被害を受けた県内の自治体などが、鬼怒川や小貝川が氾濫した場合、いかに被害を減らすかを話し合う「減災対策協議会」が17日発足し、筑西市にある国土交通省下館河川事務所で初会合が開かれた。平成32年度までの今後5年間に達成すべき目標として、水害発生時の「逃げ遅れゼロ」を掲げた。

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 会合には鬼怒川や小貝川周辺の、結城▽龍ケ崎▽下妻▽常総▽取手▽つくば▽守谷▽筑西▽つくばみらい▽八千代-の10市町の首長らと国交省関東地方整備局、水戸地方気象台、県などの担当者が出席。

 ◆ソフト面も強化

 「逃げ遅れゼロ」に加え「社会経済被害の最小化」も目標に掲げた。その上で堤防の整備などハード面だけでなく、避難行動や水防活動、排水活動などソフト面を中心とした対策を強化する必要があるとの認識を共有した。

 常総市の高杉徹市長は、住民への避難情報の伝達について「避難準備情報や避難勧告、避難指示などの言葉では市民に伝わりにくい。『すぐに逃げてください』など、緊迫感を持った呼びかけも必要ではないか」と指摘。下妻市の稲葉本治市長は「どうやって住民に危機感を持ってもらうかが喫緊の課題だ。サイレンを鳴らすなど対応を考えたい」と述べた。

 つくばみらい市の小野一浩副市長は、東日本豪雨では「決壊や越水の情報が多く、水が今どのあたりまで来ているかという情報が全くなかった」と振り返り、浸水エリアの拡大については「県や市町村の間で情報伝達をしっかりした方がよい」と語った。

 このほか、出席者から「役場の職員が水防団になっているが、水害の際は住民対応もあり、人手不足になった」「雨や風の音で防災無線が聞こえない」などの問題点が挙げられた。

 ◆情報を迅速に

 災害の際、避難勧告・指示を徹底させるには、行政側が情報を迅速に、分かりやすく発信する必要があり、住民側にも発信された情報を危機感をもって受け止めることが求められる。首長らの発言にあるように、昨年の水害が情報を発信する側と受け取る側の双方に教訓と課題を残したのは間違いない。

 次回の協議会は5月中旬に開かれる予定で、各市町などは「逃げ遅れゼロ」や「社会経済被害の最小化」に向けた対策を持ち寄って議論する。協議会は、東日本豪雨を受けて、国の管理する全国109水系の河川で設置されることになっている。実際に協議会が発足したのはこれが初めて。