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重粒子線治療と高専新設 山梨知事、2公約を軌道修正 「見通せなかった」

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重粒子線治療と高専新設 山梨知事、2公約を軌道修正 「見通せなかった」

 後藤斎知事は4日、県庁で臨時会見を開き、昨年1月の知事選で掲げた「がんの重粒子線治療施設の導入」「産業人材の育成を目的とした県立高等専門学校(高専)新設」の2つの公約について、軌道修正する考えを示した。知事は「1年前に見通すことができなかった」と事実上の後退を認めた。

 知事は、県の2つの検討委員会が2日に提出した報告が、公約内容に難色を示したことを受け入れた。重粒子線治療については、調査・検討を継続する一方、子供の発達障害についての医療体制の充実強化を打ち出した。また、高専の導入は取り下げ、既存の工業系高校に2年の専攻科を設置する、とした。

 知事は、重粒子線治療施設について、(1)国の先進医療会議でがんの既存治療と比べ、優位性が示されなかった(2)治療装置の超小型化の開発が計画されている-と指摘。新年度以降も「調査・検討する」と説明した。同施設は県の「高度医療の在り方検討委員会」が、採算面から「導入困難」との報告を知事に提出していた。

 選挙公約との齟齬(そご)について、「重粒子は見極めの時間軸が必要だ」と釈明した。

 同報告はがんとは別に、発達障害について「全国に先んじた高度な医療提供体制を築くことが可能」とした。これを受けて、知事は3カ月待ち状態となっている「こころの発達総合支援センター」(甲府市北新)について、「充実強化にまず対応することが、子育て環境の充実に資する」と優先する考えを示した。

 一方、産業人材の育成については、「産業人材育成検討委員会」の2日の報告で、知事が公約に掲げた「高専の導入」ではなく、工業系高校への「専攻科」の設置が盛り込まれた。県産業労働部も「高専だと80%強の生徒が卒業後に県外へ流出するが、工業系高校の専攻科は、他県の例だと、ほぼ100%県内に残り、優位性が高い」としている。

 知事は「高専よりも専攻科の方が、スピード感、柔軟性、人材の定着を兼ね備えることができる専攻科を選択した」と述べた。