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世代超え昭和の暮らし研究 60、70代と高校生、野田でサークル活動 千葉

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世代超え昭和の暮らし研究 60、70代と高校生、野田でサークル活動 千葉

 ■市郷土博物館で企画展「当時の様子伝われば」

 昭和の生活の記憶を集め、若い世代に伝える野田市民の研究サークル「なつかしの道具探究会」の活動が、注目を集めている。同会には昭和に青春時代を過ごした60、70代の6人と、当時の生活に関心を持つ17歳の高校2年生の計7人が参加。生活道具の調査や小学生に「昭和の暮らし」を解説するなど、活動内容は多岐にわたる。市郷土博物館(同市野田)では、同会の活動成果をもとに昭和の日常生活を紹介する企画展「おばあちゃん、おじいちゃん これ、な~に? なつかしの暮らしと道具」が開かれている。

 「なつかしの道具探究会」は平成23年、同博物館で開催された講座「みんなで調べよう昭和の道具」の受講者らで結成された。

 同講座は、昭和の頃に使われた家具や家電製品といった生活道具を「使った記憶」とともに後世に残すために、人材養成が目的だった。それ故に、当時中学生だった伊藤萌さん(17)の参加は予想外のうれしい誤算。伊藤さんは「昔の暮らしは不便だったと聞くことが多いが、本当はどうだったのだろうと、確かめてみたかった」と講座参加の動機を話す。

 伊藤さんらは6回の講座で同博物館の収蔵庫の見学や資料寄贈者からの聞き取り調査などを体験。同博物館学芸員、大貫洋介さん(30)から資料分類の方法などを学び、講座終了の同年8月に「なつかしの道具探究会」としての活動が始まった。

 メンバーは月2回集まる。活動は博物館の所蔵する電話機、カメラ、時計などのクリーニングからスタート。収蔵品の見取り図を添えた調査カードも約50枚作成した。24年からは「昔のくらし」を学ぶ授業などで博物館を訪れる小学生の案内役も務める。

 昭和世代のメンバー、長堀隆さん(71)は「あのころはああだった、この年に何が起きたなど、仲間との話が楽しい」という。伊藤さんはこうした祖父母世代の話に耳を傾け、「スマートフォンがなくても昭和の暮らしは充実していて、貧しくなかった」と感じたという。

 企画展「おばあちゃん、おじいちゃん これ、な~に? なつかしの暮らしと道具」は、こたつで暖を取り、扇風機で涼んだ昭和20~40年代がテーマだ。この時代ならメンバーの体験がそのまま展示に生かせ、解説でも活躍できるからだという。

 会場入り口脇には30年前後の3畳の居間が再現されている。食事が用意された丸いちゃぶ台が懐かしい。メンバーが「60年前の味」を思い出しながら東京・合羽橋の飲食店機材店で買っためざしの食品サンプルを並べた。伊藤さんの「この展示の方法であれば若い人にもよく分かる」といった意見も展示に生かされているという。

 家に保管されていたガス灯や古い電話機を今回の企画展に提供したメンバーの中川喜介さん(67)は「ガスや電話の普及が早かった野田は輝いていた。当時の様子が伝わればうれしい」と話している。

 同企画展は3月21日まで(火曜休館)、入場無料。2月13日午後2時からは電気を使わず中に炭を入れるアイロンの使用体験を博物館に隣接する市民会館で開催する。問い合わせは野田市郷土博物館(電)04・7124・6851。