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【盛り上げよう群馬 輝くブランドへ】元五輪代表・不破弘樹さん 陸上競技との接点拡大を

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【盛り上げよう群馬 輝くブランドへ】
元五輪代表・不破弘樹さん 陸上競技との接点拡大を

 陸上男子100メートルで日本最速を誇り、数々の記録を打ち立てた元五輪代表の不破弘樹さん。平成5年に故郷に戻り、現役引退後は上武大陸上部コーチを務めるなど後進の指導にあたってきたが、新年早々に政界進出を表明し、注目を浴びる存在となった。トップランナーとして国内外を駆け回った目に、群馬のスポーツ界はどう映るのか聞いた。

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 こじゃれたホテルのラウンジに颯爽(さっそう)と入ってくる姿はアスリートそのもの。国際試合の大舞台を踏んだ人ならではのオーラが漂うが、気さくな口ぶりで自らの体験を語ってくれた。

 昨年、プロ野球西武ライオンズにドラフト1位で入団した高橋光成(こうな)選手(前橋育英高、沼田出身)をはじめ、群馬は多くのスポーツ選手を生んできた。そのレベルをどう見るか。

 「県職員として国体選手のメディカルチェックを行った経験から見ても、県を挙げてスポーツに力を入れており、強いですよ。スポーツ関係者は『人口の多い県に負けても、同じくらいか少ない県には決して負けない』と口をそろえます」

 東農大二高在学中にロス五輪に出場。その当時、学校に不破さん専用の電話線が引かれるほど注目されたという。陸上に関して、群馬ならではの良さとは?

 「使えるグランドが多く、環境的にはかなり整っています。少ない人数でも、夜は照明をこうこうと照らしてくれ、東京など都市部ではできないことができる。そうした意味で群馬はかなり恵まれています」

 場所が整っていても、指導面ではどうか。

 「陸上競技は中学や高校の部活が中心なのが現状。群馬に限った問題ではないですが、クラブチームが少なく、専門的な指導を受けられるところは多くはない」と課題を指摘する。その上で、「私が代表を務める『TEAM不破』では、子供を中心に陸上教室を開催しており、県内に同様のクラブチームがどんどん増えれば、陸上界全体がベースアップできると思います」と言う。

 スイミングクラブは小さな町にあっても、陸上クラブはあまり見かけない…と記者が考えていると、こう付け加えた。

 「走ることはどんなスポーツにも直結します。小さい頃から速く動くという神経系の発達を促してあげれば、陸上だけではなく、ラグビーやサッカーなど他のスポーツにも応用できる。最初から競技を決めず、基本となる動作を身に付けるための『入り口』を作ってあげたい」

 言葉には力強さがあった。(久保まりな)