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「大津祭」重要無形民俗文化財に 住民ら、まちの活性化期待

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「大津祭」重要無形民俗文化財に 住民ら、まちの活性化期待

 国の文化審議会は15日、「大津祭」の曳山行事を国重要無形民俗文化財に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。曳山行事は近世の都市祭礼の性格を残しており、山・鉾・屋台行事の国内での広がりを知る上で、貴重な資料になると評価された。指定が決まれば、国重要無形民俗文化財は県内で4件目、大津市では初の指定となる。

 大津祭は約400年前の江戸時代初期に、天孫神社の祭礼で鍛冶屋町の塩売治兵衛がタヌキの面をかぶって踊ったのが始まりと伝えられる。その後、町単位で曳山が作られていった。

 答申では、大津祭の曳山は、京都・祇園祭の影響を受けつつも独自の文化をはぐくんできたと評価された。その一つが「からくり」。人が踊る代わりに人形などが動く仕掛けを取り入れた。また、祇園祭は四輪式であることに対し、大津祭の曳山は三輪式であるなど、地域独自の祭礼文化を形成したと位置づけた。

 国重要無形民俗文化財の指定への取り組みは、平成23年3月にスタート。祭りの運営団体の一つである大津祭曳山連盟など3者が、市に働きかけた。

 市教委は24~26年度の3年間にかけて、大津祭の歴史や特徴について本格的な調査を実施。「曳山」「からくり」「囃子」など8項目について、成立過程や構造などを540ページ近くの報告書にまとめ、27年3月に「大津曳山祭総合調査報告書」として発刊。今回、この報告書をもとに、文化審議会が国指定へ答申を行った。

 国指定が見込まれたことに対し、地元の人々からは歓迎の声が上がっている。

 祭りの保護団体で、文化財への指定を目指して地元住民らで26年9月に設立した「大津祭保存会」の小川正会長(75)は「国が保存・継承に努めなければならない立派な祭りとして認めていただいた。祭りが活気あるものになれば」と話す。

 また、大津祭曳山連盟の白井勝好理事長(72)は「これを機に、まちの活性化につなげていきたい」と意気込みを語った。