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【栃木この人】LGBTとして活動、加藤幹保さん(26) 「悩み、抱え込まないで」

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【栃木この人】
LGBTとして活動、加藤幹保さん(26) 「悩み、抱え込まないで」

 東京都渋谷区の同性パートナーシップ条例の施行などでLGBT(性的少数者)への世間の関心が高まった。「このタイミングしかない」と、今年11月、宇都宮市内でLGBTについての講演会を開催した。

 平成13年に放送された「3年B組金八先生」で、上戸彩さんが性同一性障害の生徒を演じた。ドラマを見て、「自分もそうかも」と感じた。女性として生まれたが、幼いころから、自分の性に違和感を持ち続けていた自分と重なった。

 「ボーイッシュな女の子」と周囲には見られ、そう振る舞ってきた。「男子と遊びたいけれど、自分が女だと感じてしまう」と、あえて高校は女子校に進学した。できたばかりのサッカー部に入部し、「やりたいようにやれた」と振り返る。

 初めて自分がLGBTだと他人に打ち明けることができたのは大学時代。アメリカ留学中のことだった。「男と女、どっちが好きなの?」。あまりにフランクに尋ねられ、拍子抜けした。性的マイノリティーに対して厳しいと感じる日本との違いに衝撃を受けた。帰国して親しい友人にもカミングアウト。すると、「なるほど、スッキリしたよ」と、反応はあっさりとしていた。中でも、「うらやましい。今からどんどん男になっていくなんて、人生が2回あるみたいじゃない」という一言に励まされた。

 一方で、誰よりも言い出しづらかったのは家族に対してだ。ショックを想像すると、言葉に詰まった。報告したのは大学院に進学してから。

 「(親には)全てを否定されてしまった。『育て方が悪かったのか』と言われた」。それでも、今は理解し、支えてくれている。

 栃木にはホルモン注射の専門医もおらず、LGBTへの理解・支援ともに遅れている県だと感じている。「全ての人に理解してもらうことは難しい」としつつも、「正しい知識もなく、ただ異常と呼ぶのは間違っている」と主張する。

 講演会を通して、悩んでいる当事者に「一人で抱え込まないで、『こんなやつもいるよ、いいんだよ』ということを伝えたい」。今後は教育現場での講演会の開催を目指している。(豊嶋茉莉)