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【ろっけんグルメ】まんぷく食堂(岩手県釜石市) 三陸の食材の味生かす

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【ろっけんグルメ】
まんぷく食堂(岩手県釜石市) 三陸の食材の味生かす

 「すべての食材に三陸のブランドを守るという思いを込めているんです」

 丼の上には赤色の濃いイクラ、黄色が鮮やかな焼きウニ、プリプリのホタテ。観光客らに人気の三陸釜石お宝丼(1600円)だ。

 岩手県釜石市の玄関口、JR釜石駅近くの市場「サン・フィッシュ釜石」の2階には、この看板ランチを求めて毎日のように行列ができる。週末は60食、平日でも40食が出るという。

 イクラは食材の味をそのまま生かしたシンプルな醤油(しょうゆ)漬。ウニの「蒸し」「焼き」の絶妙なバランスは真似できない。ホタテも地元ならではの新鮮さだ。それもそのはず。同店は東北を代表する特産品「三陸海宝漬」で知られる中村家(同市)の姉妹店。使われているのは海宝漬と同じ厳選食材ばかりだ。

 中村家の島村隆社長は「それぞれがそれぞれの味を引き立てるように計算している。同じ三陸のものを使うからこそ味が増す」と話す。やさしい甘さの特製玉子焼きや出しの効いたあさり汁、季節の刺身など、副菜にも確かな仕事ぶりが垣間見える。

 38年前、活気にあふれていた橋上市場から始まった変わらぬ味。震災直後、あえて「復興」を掲げず通常メニューを守ったのも、「昔と変わらない味で、せめて食べるときくらいは震災を忘れてほしかった」という思いがあったからだ。来年1月には「海鮮まえ浜」と店名を変え、リニューアルするが、メニューは変わらない。「地元でとれる食材の個々の味を生かす。そして新しい味を引き出し、全国に通じる魅力を作る。一つの丼に込めた思いは被災地そのものなんです」(高木克聡)

                   ◇

 ▽アクセス 岩手県釜石市鈴子町2の1サン・フィッシュ釜石2階。JR釜石駅から徒歩1分。(電)0193・22・2255

 ▽営業時間 午前11時半~午後2時

 ▽定休日 第1、3、5水曜日

 ▽店主お薦めの他店 カフェ&レストラン「カマイシテラス」(釜石市鈴子町22の4ホテルフォルクローロ三陸釜石1階)