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植え替えたいが、不ぞろいダメ!? ヤシ並木伸びすぎ 宮崎

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植え替えたいが、不ぞろいダメ!? ヤシ並木伸びすぎ 宮崎

宮崎空港付近の国道でヤシの木を1本おきに植え替えた場合(上)と、端から順番に植え替えた場合のイメージ(宮崎河川国道事務所提供)

 宮崎の道路沿いに並び、南国ムードを演出するヤシの木「ワシントニアパーム」の植え替えが決まった。成長しすぎて高さ20メートルを超える木もあり、剪定(せんてい)が難しくなったためだ。ただ、限られた予算では一度に植え替えはできない。景観を損なわない手法に関係者は頭を悩ませている。

 ◆新婚旅行ブーム

 宮崎が新婚旅行ブームに沸いた昭和39年、地元の観光開発を手掛けた故・岩切章太郎氏が植えたのが始まり。ワシントニアパームを選び、南国情緒豊かな観光地を目指した。

 その後、宮崎の中心部を走る国道10号や220号の中央分離帯(総延長14・7キロ)に植えられた。今は国と県の管理分で計約840本ある。当初は高さ3~4メートルだったが、半世紀で20メートルに達した。最後は30~35メートルにもなると予想される。

 強風で枯れ枝が落ち、車が損傷するなど、平成22年度から5年間で3件の“事故”が起きた。

 ただ、高所作業車で刈り込み、枝は筒状の布で地上に落とすなど、維持管理には手間と予算がかかる。

 さらに成長すると、作業コストがかさむ。それだけ安全の確保も困難になる。一部の木は老朽化で幹が腐り、倒れる恐れもある。

 ◆完了まで60年

 「景観を象徴する要素として、継承すべきだ」

 24年度に実施された市民アンケートでは、全て撤去するよりも存続派の意見が多かった。国や自治体、有識者で作る検討会は全体を植え替える方針を決めた。

 だが、1本あたり約100万円がかかる。予算上の制約もあり、1年では14本が限度で、完了するまでに単純計算で60年かかる。高さもばらつきかねない。

 違和感を抑えようと、国土交通省宮崎河川国道事務所は10月に新たに発足させた検討会で、1本おきに植え替えるか、順番にするかの2案を提示した。植え替えを優先する場所は(1)北から順番(2)高い木が目立つ市街地、などの案を示した。

 検討会では「市街地は一定の高さでそろえた方がきれいだ」「1本おきでは土壌の質がばらばらになる」など多様な意見が出たが、結論は出ていない。

 同事務所の植田定総括保全対策官は「エリアの特性に応じた植え替え方法を検討したい」と話す。植え替えは来年春にも着手する。古い木は、公園の丸太ベンチや日用品として再利用する計画を立てている。