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長岡のメーカーがインターン生とタッグ、和紙の文化を世界へ発信

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長岡のメーカーがインターン生とタッグ、和紙の文化を世界へ発信

 長岡市小国町の和紙メーカー、小国和紙生産組合はインターンシップ(就業体験)で受け入れた長岡技術科学大(同市)の学生とともに、和紙文化の魅力を海外に発信する態勢づくりに乗り出した。学生は和紙づくりを体験しながら、外国人向けのPR動画やホームページ(HP)などを来年2月までに作成する。同社は和紙の用途や販路の拡大に弾みをつけたい考えだ。

 同社は、江戸時代初期から伝わる小国和紙を後世に残そうと昭和58年に創業。今回、インターンシップの活用で中小企業の経営改革を支援する米金融大手ゴールドマン・サックスのプログラムに、中越防災安全推進機構(同市)の協力を得て応募し、採択された。

 ゴールドマン・サックスからインターン関連費の助成や助言を受け、8月から半年間の計画で始動。同大経営情報システム工学課程4年の鈴木孝一さん(22)が今秋から、和紙原料の収穫をはじめとする就業体験を本格化させ、製法や文化の理解に努めている。

 鈴木さんは市場の動向や和紙に関する情報へのニーズを調べながら、IT(情報技術)に関するノウハウを生かし、和紙の活用方法や歴史、文化を伝える英語版のPR動画を作成。外国人に親しみやすいホームページを制作し、問い合わせへの対応を充実した仕組みにすることにも挑む。

 同社は、原料となるクワ科の植物「コウゾ」の自家栽培を手掛け、一貫した和紙づくりに取り組む。鈴木さんは「原料から製品までの全工程を学ぶ経験は宝物。柔軟な発想で市場の拡大につなげたい」と話す。

 日本の手すき技術が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことで、和紙への海外の関心が高まっており、これを好機に同社の今井宏明社長は海外需要を取り込みたい考えだ。

 同社では日本酒用のラベルが売上高の約6割を占めているものの、雪を生かした手法を取り入れた小国和紙の美しさと強靱(きょうじん)さをアピールし、はがきや便箋、壁紙、照明といった幅広い分野でニーズの拡大を目指す。

 「本物の手すき和紙の価値を正しく伝える担い手を増やし、和紙産業を立ち直らせたい」と、今井社長は意欲をみせている。