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伊東の「江戸城石垣石丁場跡」を史跡指定に文化審答申

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伊東の「江戸城石垣石丁場跡」を史跡指定に文化審答申

 文化審議会が20日に行った史跡指定の答申に、県内からは熱海市下多賀と伊東市宇佐美にある「江戸城石垣石丁場跡」が盛り込まれた。登録記念物には十国峠(日金山(ひがねさん)、熱海市・函南町)が、登録有形文化財には川奈ホテル本館(伊東市川奈)など6件が答申され、関係者は貴重な歴史資産の保全に気持ちを新たにしていた。

 県などによると、史跡への指定が決まった「江戸城石垣石丁場跡」は、徳川家康の命による江戸城改修の際に、石垣用の石材を切り出した採石作業場の遺跡。同様の作業場は相模湾沿岸から伊豆半島にかけて約170カ所確認されているが、採石から搬出までの工程を把握できるほど保存状況が良好な点が評価された。

 登録記念物に答申された十国峠は古くから信仰の地で、中世以降は「伊豆山権現(いずさんごんげん)」と「箱根権現」を結ぶ二所詣(にしょもうで)の道として知られた。江戸時代後期に葛飾北斎や中山高揚らによって富士山や十国五島を見渡す展望地として絵画に描かれ、多くの人が訪れるようになった。

 一方、国際リゾートホテルとして昭和11年に相模湾を望む絶景地に建てられた川奈ホテルは本館と田舎家がそれぞれ登録有形文化財に答申された。本館は高級石材や装飾タイルなどを使った吹き抜けのロビーやメーンダイニングの気品ある造形が特徴。田舎家は同年に江戸時代後期の茅葺屋根の民家を移築したもので、柱の配置や部材加工に古式を留め、現在はレストランとして使用されている。

 このほか、小長井家住宅店蔵(静岡市葵区)▽同奥蔵(同)▽旧静岡英和女子学院院長住宅主屋(同)▽旧気多(けた)村立勝坂小学校校舎(浜松市天竜区)-も登録有形文化財への登録が答申された。

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 登録有形文化財に決まった川奈ホテルの今井和夫社長の話「川奈ホテルは昭和11年に最新技術の粋を集めて建設され、昭和初期の近代建築として79年間にわたり、お客さまに感動を与えてきました。来年は80周年の節目の年となり、今回の登録に恥じぬようホテルの魅力を今後も多くの方に届けていきたいと考えています」