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「仕事図鑑」で定住者増やせ 山梨・小菅村で紹介プロジェクト始動

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「仕事図鑑」で定住者増やせ 山梨・小菅村で紹介プロジェクト始動

 人口720人の小菅村で定住人口を増やすため、地域活性化を目指して活動するNPO法人「多摩源流こすげ」と東京農大人材育成プログラムを村内で展開する「多摩川源流大学」が村内の小中学生や移住希望者向けに「小菅の仕事紹介プロジェクト」を開始した。東京都に近く「村に仕事がない」と転出する若者が多く、人口減少を招いている。プロジェクトでは手始めに「こすげ仕事図鑑」を作成して、村内の仕事情報公開を始めた。

 多摩源流こすげが村内の中学生11人にアンケートを実施した。「村で仕事に就きたいか」に「考えていない」が半数を超え、理由を「村で仕事ができるか分からない」「自分のやりたい仕事がない」と答えた。

 多摩川源流大学の石坂真悟現地責任者は、アンケートの結果から「村人口減少の要因として、子供たちが地域の仕事を知らないことが分かった」と話す。

 今年は村役場職員、消防士、保育士などの募集があったほか、村内の企業8社が従業員を募集し、正社員も求めている。「こうした実態を子供たちに伝えることから始めよう」。従業員を募集している特産物加工・販売、自動車部品製造、建設・農業用機械整備、美容、旅館、日用品・建材販売、縫製などの事業所を巡り、経営者から仕事の内容ややりがい、夢を語ってもらい、「仕事図鑑」にまとめた。移住希望者向けにと「道の駅こすげ」情報館にも仕事図鑑を展示し、ネットにも掲載した。

 仕事図鑑は小学校の総合学習の授業で活用を勧め、同時にプロジェクトではこうした企業とのコラボレーションで「富士山型熊鈴」と有名タオルメーカーの協力を得て村のシンボルマークを刺繍(ししゅう)したオリジナルタオルを製品化した。ネット販売を12月に始める。ヒット商品としての可能性を持ち、販売好調が事業拡大を招くプラス展開となれば求人枠の広がりに通じ、「子供たちが地域企業に目を向けるようになる」と石坂さんは話す。

 村内には約70の事業所があり、今後もコラボ商品開発を進める計画。田舎暮らしを求めて、この2年間に6世帯が村に移住した。石坂さんは「移住者が増えている。小菅に住んでよかったと思う環境を作り、Uターンする人たちも増えることを期待している。経済活動が活発になると、村の人口が増える」と、プロジェクトを育てていく考えを強調した。