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スペイン大使館で「戸嶋靖昌の芸術」展 東京

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スペイン大使館で「戸嶋靖昌の芸術」展 東京

 スペインを愛した異色の日本人画家を紹介する「孤高のリアリズム-戸嶋靖昌の芸術」展が、港区六本木の駐日スペイン大使館で開催されている。

 暗色を塗り重ねた底から、確かな命の存在を響かせる人物像。塔がそびえるグラナダの空に浮かぶ悲しみ。繰り返し描いたメンブリージョ(カリンの実)があらわす生命の変容-。人間存在の本源に迫る作品約100点(期間中展示替えあり)が展示されている。

 昭和9年、秋田県に生まれた戸嶋は、武蔵野美術学校(現・武蔵野美大)で麻生三郎、山口長男らに師事。画壇に交わることなく自己の芸術性のみと向き合い、名利と無縁の生涯を送った。芸術上の危機に陥った49年、スペインに渡り26年間を過ごす。グラナダに居を構え、人々の暮らしに溶け込みながら風景や身近な人物の肖像を描いた。

 帰国後の戸嶋と出会い、平成18年に没するまで深い親交を結んだ執行草舟・戸嶋靖昌記念館館長は、「彼の絵の重さや暗さは、物質や生命のもつ宿命そのもの」と話す。

 28日まで(日曜閉館)。入場無料。問い合わせは戸嶋靖昌記念館事務局(電)03・3511・8162。