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来夏の参院選福岡選挙区 民主混乱、大久保氏が出馬取りやめ

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来夏の参院選福岡選挙区 民主混乱、大久保氏が出馬取りやめ

参院選への出馬取りやめを表明する民主党の大久保勉参院議員

 ■「旬の人で面白く」新候補に民放アナウンサー浮上

 来年夏の参院選福岡選挙区(改選3)で、民主党の大久保勉参院議員(54)が12日、福岡県庁で記者会見し、立候補を取りやめると発表した。新たな候補として、福岡の民放に在籍する50代男性アナウンサーの名前が浮上している。公認候補の内定者、しかも党県連代表の職にある大久保氏の立候補“辞退”は、野党結集をめぐる党内の路線対立など、民主党の混乱ぶりを示すといえる。

 「私が出ても勝てる自信はある。だが、選挙では知名度が重要だ。旬の人を立てて、新しい感覚で、もっとこの選挙を面白くしたいんです」

 大久保氏は記者会見で、候補差し替えの理由をこう語った。

 大久保氏は外資系証券会社を経て、平成16年の参院選で初当選。野田第3次改造内閣では財務副大臣を務め、現在、参院財政金融委員会の野党筆頭理事を務める。

 当初は3期目を狙い、今年7月の党常任幹事会で、公認候補に内定した。

 だが同じ7月、参院の「一票の格差」を是正する改正公職選挙法が成立し、福岡選挙区は改選3(定数6)の「3人区」となったことで、大久保氏の迷走が始まった。

 参院福岡選挙区はこれまで改選数2で、平成13年から自民党と民主党が議席を分け合ってきた。この構図が、次回から一変する。

 自民党現職の大家敏志氏(48)に加え、与党・公明党が24年ぶりの候補者として、元外務官僚、高瀬弘美氏(33)の擁立を決めた。

 さらに、共産党も30代の女性新人を立てる方向で最終調整に入っており、おおさか維新の会や社民党も候補者擁立を検討している。

 組織力を誇る自民、公明両党の候補予定者を軸に、3つの議席を争う激戦が予想される。

 その中で大久保氏に対しては、身内からさえ「地元の政治活動をほとんどせず、知名度も低い。これでは一枚岩で戦えない」(民主党県連関係者)と、不満がくすぶっていた。特に、無党派層の取り込みに不安を抱く声が上がった。

 さらに、民主党そのものも、支持率が上向く兆しすらない。松本剛明元外相が離党するなど、「民主党離れ」が加速する。

 11日には、前原誠司元外相と細野豪志政調会長が、維新の党の江田憲司前代表と都内で会談し、民主、維新両党を解党し、新党結成を目指すことで一致した。これに対し、民主党の岡田克也代表は、12日に解党を否定した。きな臭い動きが顕在化し、党内の亀裂が深まるばかりだ。

 民主党の支援組織である連合福岡の幹部も「選挙区を引き締めるのは、(労組の組織内候補が立つ)比例代表より後回しになる。来年春以後にエンジンをかけるしかない」と語り、選挙区をめぐる出遅れを指摘した。

 これらのことから民主党は、福岡の3番目の議席すら「指定席」ではなくなると危機感を抱き、異例の候補者変更に至ったようだ。

 大久保氏は「国会は議席の数がすべてだ。上り調子の民主党ならば、こんな荒療治は必要ないかもしれないが、新しい民主党を演出し、仕掛けるのが大事だと思った。これまでの2人区だったらこういう状況にはならなかった」とぼやいた。

 今後について問われた大久保氏は、福岡県知事選を念頭に「地方自治の首長への立候補も含めて考えたい」と語った。