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マイナンバー 8割の企業、対応まだ 中小は情報漏洩を不安視 新潟

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マイナンバー 8割の企業、対応まだ 中小は情報漏洩を不安視 新潟

 国民一人一人に12桁の番号を割り当てる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)が来年1月の利用開始に向けて本格的に動き出した。制度を定めたマイナンバー法が5日施行され、納税などの手続きのため番号を収集・管理する義務が生じる企業は対応を迫られる。ただ、県内企業の制度への理解や準備は進んでおらず、新潟商工会議所のアンケートによると9月の段階で8割近くが準備に着手していなかった。中小企業からは事務負担の増加や情報漏れなどを不安視する声は根強く、行政や関連機関の支援が重要となりそうだ。

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 ◆利用迫るも管理大変

 来年1月に番号の利用が始まると、企業は従業員や扶養家族の個人番号を給与取得の源泉徴収票や社会保障関連の書類に記載し、税務署などの関係機関に提出することが求められる。

 制度への対応をめぐる県内の企業向けセミナーで講師を務める、いずみ税理士法人(三条市)の高橋弘之税理士はマイナンバーを知らせる「通知カード」が今月中旬以降に各世帯に順次届くことから「年内に企業は従業員に対する制度の周知を徹底すべきだ」と指摘する。

 ただ、同商議所が9月の制度説明会で会員企業の担当者ら324人を対象に対応状況を聞いたところ、回答した158人のうち「既に取り組んでいる」のは全体の21・3%にとどまった。「計画中」は35・5%、「何をすべきか分かっているが未着手」は24・5%。「何をすべきか分からない」が16・8%だった。

 福田勝之会頭は「個人情報を管理するための対応で、事務負担が大きくなるという声が事業者から届いている。過度な負担となれば(国に改善を求めるため)発言したい」と話す。

 制度の利用開始まで残り3カ月を切り、戸惑う県内企業は少なくない。結婚式場を運営する月下氷人(げっかひょうじん)(新潟市中央区)は、約60人の従業員にマイナンバーの通知が来ることを周知した段階。「アルバイトを含む従業員から番号を集めて本人確認し、管理する作業は大変。走りながら、より良い管理態勢を目指す」(総務担当者)という。同市内の運輸業者も「県内外に支店が多く、番号収集などに手間がかかる」とこぼす。

 ◆解消されないリスク

 セキュリティー面の課題も重くのしかかる。切り餅・菓子製造のマルシン食品(同市西区)は従業員約150人の情報をパソコンで管理しており、マイナンバーの取り扱いに関する社内規定を年内に策定する方針だ。総務担当者は「情報の漏洩(ろうえい)に注意したい」と気を引き締める。

 マイナンバー法では、正当な理由なく特定個人情報のデータを第三者に提供した場合、4年以下の懲役または200万円以下の罰金を科すなど罰則規定も強化された。

 マイナンバーの扱いをめぐる社内規定は、従業員が101人以上の企業に作成が義務づけられる。税理士の高橋氏は「情報漏洩による損害賠償責任を回避するためにも従業員数にかかわらず社内規定を作り『会社を守る一歩』にすべきだろう」と積極的な対応を促すが、人員などに余裕の少ない中小企業にとっては悩みの種となりそうだ。