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滋賀・信楽高原鉄道「300形301号」20年の運行に幕 来月4日、新型車両を導入

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滋賀・信楽高原鉄道「300形301号」20年の運行に幕 来月4日、新型車両を導入

 甲賀市の信楽高原鉄道(SKR)は、来月4日から新型車両「400形401号」を導入すると発表した。導入に伴い、安全車両の“先駆け”として平成7年に導入された「300形301号」の運転は終了することになり、3日にラストランを迎える。

 SKRは「新型車両が乗客数増加のきっかけになれば」としている。

 301号は、42人が死亡した3年5月の列車衝突事故を教訓に、7年11月に事故後初めて導入された。衝突の衝撃を和らげる油圧バンパーを車両の先頭と最後尾の計4カ所に取り付け、車内の金属製手すりにもゴムカバーを設置。また、一方の系統が使用不能になっても他方で制御ができるようにブレーキを2つ設けるなど、全国の安全車両の先駆けとして、20年間無事故で活躍してきた。

 しかしエンジンの老朽化などにより、貴生川-紫香楽宮跡間の急勾配を走行することが今後きつくなることが予想され、乗降口の段差がお年寄りや車いす利用者の障害になっていたこともあり、車両を所有する甲賀市が今年3月、約1億7300万円かけて新型車両の導入を決めていた。

 来月4日から導入される401号は、全長が301号より3メートル長い18メートルで、定員が28人多い122人。信楽焼や高原の紅葉を連想させる茶褐色をベースにした配色に一新された。新たに入り口の段差をなくし、車いす用のスペースを設置。また、車両異常などをコンピューターで管理するシステムも取り入れられた。

 301号は当初スクラップにする予定だったが、紀州鉄道(本社・東京都千代田区)から「譲り受けたい」と申し出があり、無償譲渡することに決定した。今年中には、和歌山県御坊市内で“復活”する予定。SKRの前田潤常務(64)は「職員はみな、301号を大事に整備してきた。寂しいが、また新たな場所で活躍してほしい」と話している。

 SKRは301号引退に伴い、1日から引退記念乗車券(1150円)と記念プレート(3千円)を販売する。301号のラストランは、3日午後3時24分貴生川発。401号の1番列車は、4日午前9時46分に信楽駅を出発する。