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熊谷市「警察の依頼、十分対応」 住民ら検証求め署名活動 埼玉

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熊谷市「警察の依頼、十分対応」 住民ら検証求め署名活動 埼玉

 熊谷市で6人が殺害された事件で最初の犠牲者が出た14日以降、現場周辺で防災無線放送による注意喚起が行われなかった問題で、同市の富岡清市長は29日の定例会見で「警察からの依頼には十分対応した」と述べ、市の対応に問題はなかったとする認識を示した。一方、住民からは県警や市に対する疑問の声が上がり、県に検証を求める署名活動が行われている。(宮野佳幸)

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 会見で市安心安全課は「県警から防災無線の依頼がなかった」と改めて説明。市によると、同市見晴町で田崎稔さん(55)夫婦が殺害された翌日の15日朝、熊谷署から現場周辺の小中学校の登下校時見回り強化などの依頼があった。しかし、その際に防災無線の要請はなく、要請の際に通例となっている同課へのファクスによる放送依頼が別に行われた事実もないという。

 報道陣から「市は能動的に防災無線で注意喚起はしないのか」と質問が飛ぶと、富岡市長は「捜査の邪魔になってしまうかもしれないので難しい」と表明。「警察に依頼を受けたことについては、十分に対応した」と強調した。

 県警は現時点でも「15日朝の電話連絡の際、防災無線やメールでの保護者への通知を依頼した」と説明。ただ、電話のみで防災無線を依頼したことについて「正規のルートで連絡をしていないところは改善点だ」としている。

 一方、住民からは「不審者情報があった13日の時点で防災無線などを通じて情報がつかめていれば、被害は防げたのではないか」と疑問や不満が噴出している。

 事件現場の周辺自治会では、同市議や自治会長ら9人を発起人として、事件についての説明と検証を県に求める署名活動を27日から開始した。約4千世帯を対象に10月16日まで行う予定。発起人の一人で荒川自治会連合会の野口幸雄会長(72)は「6人が亡くなり、特に小学生2人が犠牲になったことが悔やまれる。二度とこんなことが起きないよう、市や県警は情報提供を行ってほしい」と訴えた。