産経ニュース

熊谷6人殺害 「犯人と遭っていた…」 60代男性、物置開けると男

地方 地方

記事詳細

更新


熊谷6人殺害 「犯人と遭っていた…」 60代男性、物置開けると男

 熊谷市で6人が殺害された一連の事件で、謎に包まれていたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)の足取りや人物像が徐々に明らかになりつつある。確保される数日前には民家の物置に侵入するなど、現場近くを転々。事件前の生活状況や言動からは、心に大きな孤独と闇を抱えていた姿も浮かび上がってきた。

                   ◇

 「こんなに近くで犯人と遭っていたなんて」。ナカダ容疑者は熊谷市石原の民家で4人が死亡しているのが確認される3日前の13日、犯行現場近くの民家の物置に侵入したとみられている。無職の60代男性は、ナカダ容疑者とみられる男と遭遇した瞬間を固い表情で振り返った。

 男性は同日午後3時ごろに帰宅し、同4時ごろに庭の物置に荷物を置きに行った。同4時40分ごろ、男性が再び物置の扉を開けると、中にさっきはいなかった浅黒い肌の外国人風の男が立っていた。男性は「驚きのあまり声が出せなかった」という。

 男は物置にあった座布団を自分の足元に置き、両手を合わせて男性を見ていた。表情は「少しおびえているよう」に見え、男性が外へ出るように促すと、おとなしく従った。長袖Tシャツにジーパン姿で、「手ぶらに見えた。刃物のようなものは確認できなかった」という。

 男は無表情のまま言葉を発した。「今振り返ると『カナガワ』と言っていたんじゃないかと思う」。事情を聴こうとすると男は急に走り出し、物置の脇を通り過ぎ、柵を乗り越え、住宅街へと走り去った。男性はすぐに110番通報し、14日には被害届を出した。

 男性は「見晴町での(夫婦2人殺害の)事件が起きたとき、物置のこととは全然結びつけて考えていなかった。もしあのとき、男が刃物を持っていたら、自分たちが刺されていたかもしれない」と青ざめた。(菅野真沙美、宮野佳幸)