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東京パラリンピックに向け一丸 競技予定の江東区「カヌーに地元選手を」 

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東京パラリンピックに向け一丸 競技予定の江東区「カヌーに地元選手を」 

 2020年東京パラリンピックへ向け、江東区はスポーツ振興と地元からの代表選手の輩出を目指している。パラリンピックカヌー競技が開催される予定の同区には有力選手が控え、地域一丸となった応援が始まっている。(鈴木美帆)

 区は今年3月、「同区スポーツ推進計画」を策定。障害者スポーツへの支援強化も盛り込まれ、7月には障害者のカヌー教室を実施するなど機運が高まっている。

 「水彩都市」をうたう区内には、カヌーに適した川が流れていることから、区は「地の利を生かしたい」と特に力を入れ、関連施設の整備を推進。旧中川を中心にカヌークラブや中学・高校生らが親しんでいる。山崎孝明区長も、「選手はもちろん、いつでも誰でもカヌーを楽しめる街を作りたい」と先導している。

 障害者カヌー(パラカヌー)は、2016年リオデジャネイロパラリンピックから採用され、ヴァー部門は東京パラリンピックで追加される。東京パラリンピックのカヌー競技は、区に建設される海の森水上競技場で開催される予定だ。

 区からは、パラカヌーで世界の舞台で戦うアスリートが2人誕生している。8月にイタリアで行われたパラカヌー世界選手権大会には、ヴァー部門で区職員の諏訪正晃さん(29)、カヤック部門で高校3年生の瀬立(せりゅう)モニカさん(17)が日本代表選手として出場。両選手とも決勝に進み、諏訪さんは8位、瀬立さんは9位と健闘した。

 パラカヌーを始めて1年で代表選手に成長した諏訪さんは、緑化や生物多様性など地元の土地を生かした街作りを担当しており、「地元が元気になり、水辺に目を向けるきっかけになれば」と、「地元愛」を語る。

 中学でカヌー部に所属し、高校1年生の時にけがで車いす生活になった瀬立さんは、仲間とカヌーを続けることが「生きる原動力」になったという。最初はカヌーに座る姿勢を取るのが大変だったが、区内の補装具会社とともにシートを改良したところ、ぐんぐんと成績が向上していった。

 応援する区民からは「子供のころから知っている家族のようなものだから頑張ってほしい」など、温かい声援が寄せられる。海外遠征の際には、多くの募金が寄せられた。

 「地元選手が育ち、東京パラリンピックでメダリストが生まれることを夢見て応援していきたい」(山崎区長)と、地元開催の大舞台での活躍が期待される。

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【用語解説】パラカヌー

 200メートルのスプリントで競う。障害の程度によって3クラスに分かれ、種目は、両端に水かきのついた櫂(かい)を左右交互にこいで進むカヤック、本体の横に浮き具のついた艇で、左右どちらかの片方をこいで進むヴァーがある。