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揺れる埼玉県警 現職警官逮捕で苦情100件超、熊谷殺人でも批判

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揺れる埼玉県警 現職警官逮捕で苦情100件超、熊谷殺人でも批判

 「警察は何をやってるんだ」「もう信じられない」-。朝霞市の男性殺害に関与したとして、県警浦和署地域課の巡査部長、中野翔太容疑者(31)が12日に殺人容疑で逮捕された事件を受け、県警に苦情の電話が殺到している。17日に予定されていた交通イベントのパレードが中止になるといった影響も出ており、同日には布川賢二監察官室長の異動が凍結されることが発表。熊谷市の連続殺人事件でも対応の不手際が指摘されており、風当たりが強まっている。

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 「批判は甘んじて受けるが、大変厳しい状況だ」。県警幹部はこう漏らす。

 県警によると、苦情は中野容疑者が勤務していた浦和署や朝霞署、県警本部のほか県内各署に寄せられており、12~17日夕に少なくとも100件以上あった。熊谷市で計6人が殺害された事件でも、現場で確保したペルー人の男を事前に熊谷署で見失っていた事実が分かり、「逃げられるなんて何しているんだ」と怒りの電話も寄せられているという。

 また、浦和署は例年、秋の交通安全運動期間に合わせて、地元出身のアイドルや女優らに一日警察署長を委嘱してパレードする交通安全出発式をさいたま市と共催。今年は女優の入山法子さんを一日署長に招いていたが、17日の開催を前に、同署からパレードの中止と入山さん不参加の申し入れが市などにあった。さいたま市民会館うらわ(同市浦和区)では同日、規模を縮小して式典と音楽隊の演奏などが行われた。

 23日には現職警察官逮捕を受け、県内全39署長と県警本部の課長級以上の幹部が参加する臨時の署長会議を開く。県警では毎年春秋の人事異動時と国政選挙前に署長会議を開いているが、不祥事を受けた開催は異例。再発防止に向け、貴志浩平本部長から指示があるとみられる。

 苦情は交通取り締まりなど現場の警察官へも相次いでいるといい、「部下への指導にも気を使う」と県警幹部。別の幹部は「世間の目が厳しい状況だが、取り締まりや態度を緩めては本末転倒だ」と語った。

 上田清司知事は17日の定例会見で現職警察官の逮捕について聞かれ、「現場の警察官が最も悔しい思いをしていると思う。警察官の皆さんには胸を張ってもらい、未然に事件を防ぐための努力をしていただきたい」とコメントした。(川峯千尋)