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存続する白馬高校で「公営塾」スタート 魅力と学力底上げ、生徒増図る

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存続する白馬高校で「公営塾」スタート 魅力と学力底上げ、生徒増図る

 平成28年度から「国際観光科」を新設することなどにより存続が決まった白馬高校(白馬村)で、生徒数増加に向けた同校の魅力向上策の一つ「公営塾」が、同校敷地内に開講した。塾の運営費は地元の白馬村と小谷村の両村が負担するとともに運営にも深く関わり、地域ぐるみで支えていく。同校再生に向けた取り組みがいよいよスタートした。

 ◆個別指導 

 公営塾が設置されたのは同校の旧合宿所で、「しろうま學舎」と命名された。塾の講師は、今年度から白馬村が初めて採用した地域おこし協力隊員の本間光徳さん(45)と奥田純子さん(25)が務める。平日の放課後と土曜日に、英語、国語、社会、数学などを教え、英検や漢検などの資格取得も支援する。原則として生徒の習熟度に合った個別指導を行う。

 本間さんはシンガポールの大学や大手進学塾で約15年、指導した経験があり、「生徒たちの学びたいという気持ちを引き出せるような指導をしていきたい」と話す。奥田さんは今年3月に北海道大学大学院を修了した後、民間企業勤務を経て採用された。奥田さんは「自分の受験経験を生かしたサポートをしたい」と意気込んでいる。

 ◆タブレット活用

 公営塾は、ソフトバンクとベネッセの共同出資会社「Classi(クラッシー)」のサービスを導入。生徒は同社が提供する映像教材や電子版の問題集などを活用し、タブレットなどを使用しながら学習する。今後、電子黒板も導入する予定だ。

 開講した11日には早速、タブレットを使った英語の授業が行われ、同校1年の吉沢愛さん(16)は「タブレットは使いやすくてどんどん勉強を進められる。塾だと1人でやるよりもはかどる」と話した。

 ◆地域の支援 

 公営塾の初年度の運営費は約800万円で、白馬、小谷両村が負担する。11月までは生徒たちに体験してもらうため、無料で開放するが、以降は曜日や時間、受講内容に関わらず一律3千円程度を徴収する。受講者は同校の生徒のうち、1学年15人ずつの計45人程度を目標に募集する。

 また、来年3月には理科などを教えられる公営塾の講師として、地域おこし協力隊をもう1人採用する予定。さらに非常勤講師として、地域に住む外国人に英会話の指導をしてもらうことも検討している。

 ◆全国から募集 

 同校をめぐっては、生徒数の減少が続き、26年度に県教育委員会から再編対象とされたが、地元の両村が学校運営の一部を地域が負担することなどによる独自の存続案を県に提出。これを受けて、県教委は今年6月、従来の普通科に加え、観光分野の知識や英語力の習得を目指す県内初の「国際観光科」を新設し、生徒を全国募集することで存続することを決定した。

 両村は同校の魅力向上のため、公営塾の新設のほか、県内外から集まる生徒のための寮の設置も支援する。また、学校経営の基本方針などを決める地域住民らによる「学校運営協議会」を置くことにしている。

 開講式であいさつした白馬村の下川正剛村長は「これまでは大学などへの進学を希望する生徒が村外の高校に通う例が多かった。白馬高校の魅力を高めて生徒たちの夢の実現をサポートしていきたい」と強調した。