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【わかやま国体】活躍待つ「投擲回収ロボット」

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【わかやま国体】
活躍待つ「投擲回収ロボット」

 ■紀北工業高ものづくり研究部、2年がかりの集大成

 選手が投げたハンマーや円盤を、きいちゃんロボットが尻尾を振って取りに行く-。「紀の国わかやま国体」(26日-10月6日)を控え、県立紀北工業高校(橋本市)のものづくり研究部が、ロボット「投擲(とうてき)物回収用ラジコンカー」を開発した。やり投げやハンマー投げなどで活用される予定で、7月の高校総体では会場を縦横無尽に走り回り、力強い助っ人として評判に。それ以降、改良を重ねてマスコットキャラクター「きいちゃん」を乗せた新仕様になった。開幕まで10日あまり。静かにデビューの時を待つ。(地主明世)

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 「1時間ぐらい前に完成したところです」

 14日午後、部員たちの視線の先には「きいちゃん」を乗せたロボットの“雄姿”があった。

 車体に設置されたパイプには「やり」を入れ、ハンマーや円盤も収納できる。モーターとバッテリーを搭載し、前後左右の方向転換も自由自在。最高時速は15キロ程度で、最大積載量は約20キロ。国体では、10月2日から始まる陸上競技のやり投げとハンマー投げ、円盤投げに登場する。

 新たに取りつけられたきいちゃんはカーボン製で、半年間の製作期間を経て完成。ラジコンで操縦すると、尻尾が左右に動いて愛嬌(あいきょう)を振りまく。「後はトラブルなく最後まで走りきってくれれば」と3年の林秀尚さん(17)。

 陸上競技では従来、選手が投げたハンマーや円盤は補助員が手作業で回収し、走って元の位置に戻していた。時間のロスに加えて、重さ約7キロのハンマーなどが飛んでいく会場には危険も伴う。全国で同様のロボットは製作されているものの、モーターが焼けてしまうなどのトラブルがつきものという。

 同校は平成25年に国体関係者からロボット開発の話がもちかけられ、同研究部や課題研究の授業を通して設計・製作に着手。以降、高校総体の近畿地区予選などで運転し、車体を冷やすファンを取り付けたり、モーターの数を増やしたりして改良を重ねた。

 今年7月の全国高校総体では、開会式に出席された皇太子さまの前でロボットを披露。競技でも、部員が脚立を改造した特製のいすを設置し、高い位置からハンマーなどの落下地点を見極めて走らせた。審判員らがハンマーや円盤を載せると、ロボットは元の位置にスムーズに戻ったという。

 操縦した1年の小梶楓也さん(16)は「緊張したが、メンテナンスなどはしっかりしているので操縦に専念できた。国体に関わることができて、きいちゃんが乗った状態で動かすのが楽しみ」と笑顔で手応えを語った。