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「富士山のふところハイキングガイド」 中腹域の豊かな自然紹介

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「富士山のふところハイキングガイド」 中腹域の豊かな自然紹介

 秋、ハイキングにふさわしいシーズンを迎えた。日本富士山協会は“山へ”と誘うパンフレット「富士山のふところハイキングガイド 山麓から五合目《中腹域》の富士山を歩いて楽しもう!」を発行した。山頂ではなく、異色ともいえる富士山中腹の魅力を紹介しており、「あまり知られていない中腹域の豊かな自然に触れよう」と提案して、注目のパンフレットとなっている。また、やまなし観光推進機構などが編集し、「山梨 山のグレーディング」を加筆して8月に発行した最新版「山梨百名山手帳」は印刷した1万部が間もなく在庫切れとなる人気だ。

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 同協会は山梨、静岡両県の企業などで構成して、会長をスルガ銀行の岡野光喜社長が務めている。このためパンフレットは「山梨サイド」「静岡サイド」の両表方式。蛇腹折り式で山梨サイドは「精進口登山道」「吉田口登山道」「奥庭・御庭」の3コース、静岡サイドは「小富士・幻の滝」「宝永火口縁周遊」「水ケ塚~御殿庭」など5コースを取り上げている。

 「ふところハイキング」のタイトル通り、パンフレットでは標高3776メートルのうち、1200~2300メートルの中腹域にスポットを当てている。同協会事務局では、「夏の富士山頂は人気だが、一方で豊かで魅力的な自然が楽しめる富士山中腹域は意外にも訪れる人が少ない。奥深い魅力を知っていただくために作成したパンフレットです」と説明している。

 精進口登山道コースは3合目から5合目まで富士山の植生の変化を観察しながら森林浴が楽しめる。吉田口登山道コースは現在も麓から歩いて登れる登山道。世界文化遺産で「信仰の対象」と位置付けられ、信仰の歴史をたどることができる。

 奥庭・御庭コースは“天地の境”といわれる5合目を巡り、亜高山帯の樹種にシャクナゲなどが織り混ざり、自然の庭園を堪能できるなど、各要所の見どころを交えて紹介している。

 各コースのページには「よりみちコラム」も記されて、5合目に野鳥たちの水場が存在するなど、ちょっとした蘊蓄(うんちく)を得ることができる。パンフレットを広げると、新聞紙を開いた大きさで、裏面は富士山頂を中央に置いて各登山道を書き込んだ地図となって、各コースの所要時間、トイレ、駐車場の位置などが示されている。

 パンフレットを2万部作成して富士山エリアの道の駅や観光案内所で配布している。また遠方から入手を希望する人には同協会が郵送サービスする。問い合わせは日本富士山協会事務局(電)0555・22・5175。

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 ■格付け更新、利便性向上 山梨百名山手帳最新版が人気

 最新版の「山梨百名山手帳」は8月8日の「やまなし山の日」に会わせて発行された。昨年8月に発行した「…手帳」には山梨百名山の標高や特徴、問い合わせ先などを山の写真とともに掲載した。最新版では山の難易度、必要とする体力度を示す「山のグレーディング(格付け)」を書き加えて、便利度を高めている。

 グレーディングでは、体力度を数字で10段階、難易度をA~Eの5段階で山を格付けして、登山者が登山計画を立てる際、過去に登った山のグレーディングを参考に次に目指す山を体力度や難易度で選ぶことができる。

 やまなし観光推進機構では山梨百名山の登山口となる各市町村役場に配布して、登山者の利用を促した。初版「…手帳」は県外からも「欲しい」といった要望が強く、2万5千部を発行したが、在庫切れ。最新版も追加配布を求める市町村が出るほど。同機構担当者は「最新版を必要な方は、まず市町村に問い合わせほしい。まだどちらかの市町村に在庫があるとみられる」と話す。増刷は未定で、同機構にもわずかに在庫があるだけという。