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コウノトリ放鳥10年「野生復帰、国内外に広がり」 郷公園・山岸園長ら評価 兵庫

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コウノトリ放鳥10年「野生復帰、国内外に広がり」 郷公園・山岸園長ら評価 兵庫

コウノトリ放鳥10年の取り組みを振り返る山岸哲園長(左)と江崎保男部長=豊岡市のコウノトリの郷公園

 一時国内で絶滅した野外コウノトリの野生復帰を目指した初放鳥(平成17年9月)から10年を迎え、県立コウノトリの郷公園の山岸哲園長は8日、豊岡市祥雲寺の同公園で記者会見を行い、千葉県野田市や韓国での放鳥に触れ、「コウノトリ野生復帰の取り組みは、国内はもとより海外にも広がりつつある」と評価した。

 さらに、野生復帰のための短・中期計画をまとめた「コウノトリ野生復帰グランドデザイン」が掲げる目標の実現に向けて、「繁殖地が全国へ、そして世界へ広がることが期待できる」と言明。最終ゴールの「国外個体群との断続的な遺伝子交流」に前向きな見通しを示した。

 会見には山岸園長や江崎保男・統括研究部長らが出席。まず今年の野外での繁殖状況(8月末現在)について、豊岡市内の9地区で9ペアが計28個産卵し、20羽が孵化(ふか)、うち13羽巣立ちしたことが報告された。飼育下では、保護増殖センターと放鳥拠点施設(養父、朝来市)で計5羽巣立ちした結果、8月末現在の野外個体数は83羽となった。

 江崎部長は、この10年間の取り組みで明らかになったコウノトリの生態について、堅い絆の一夫一妻制(現在、最長9年)▽3歳で繁殖を始める▽ヨーロッパコウノトリと同様に、餌不足による「口減らし」法として、親による子殺しが存在する-などの特徴を説明。さらに環境収容力として、現在の但馬で受け入れ可能なコウノトリは「50羽前後と考えられる」との見解を示した。