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産直施設「南アルプス完熟農園」、農業振興やブランド化期待 山梨

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産直施設「南アルプス完熟農園」、農業振興やブランド化期待 山梨

 南アルプス山麓の食文化を楽しめる複合施設「南アルプス完熟農園」が南アルプス市に今年6月、オープンした。同市が農業の6次産業化拠点として整備。畑を併設し、園内や地元で採れた果物や野菜、加工品を販売する産直ショップ、料理として提供するレストランなどの施設があり、農業振興や「南アルプス」のブランド化に期待が寄せられている。(頼永博朗)

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 ◆オリジナル商品も

 完熟農園があるのは、中部横断自動車道の南アルプスインターチェンジ前。約12ヘクタールの敷地内では、市内産が収穫量日本一を誇るスモモをはじめ、桃、サクランボ、ブドウ、柿、トウモロコシ、サツマイモ、枝豆などが栽培されている。畑の中には種を植えたばかりの果物や野菜もあり、4、5年後には全ての品種が収穫できるようになるという。

 産直ショップ「マルシェ(市場)」では、地元産の新鮮な果物や野菜を販売。オリジナルブランドのジャムやハーブティー、市内の養豚場で飼育された「完熟農園フルーツポーク」を施設内で加工したハムやソーセージなども提供している。

 仕入れ先となる農家、企業などの数は、オープン当初から約60軒増えて約260軒。今月5日からは、オーガニックフードや総菜を取り扱うコーナーを新設するほか、専門家による料理実演など「美と健康」をテーマにしたメニューの提案やイベントを開催していく。

 レストランは、洋食中心のビュッフェ形式で、マルシェで扱う旬の食材などを使った約70品を提供。土日祝日のディナータイムには、園内に500個のろうそくをともす「キャンドルナイト」を行っており、幻想的な雰囲気の中で食事を楽しめると人気だ。

 ほかに、敷地内では収穫祭や県外との地域間交流などの各種イベントも随時、行われている。

 ◆体験プログラム増やす

 農園の整備には、農家の高齢化と後継者不足に伴う遊休農地などの積極的な活用という狙いもある。運営会社は、南アルプスプロデュース(桜本一幸社長)。市が全額出資して一昨年7月に設立され、オープン後は地元JAや市商工会などが増資に応じた。同社プロモーション事業部の矢崎秀和課長は「市内の各方面が一体となって施設をもり立てていこうという態勢が整った」と説明する。

 南アルプス一帯は昨年6月、自然と人間社会の共生を理念とした国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録された。農園には、南アルプスの自然の恵みを満喫できる観光施設としての発展も期待されている。

 矢崎課長は「南アルプスのブランド力を上げることが、この施設の目的。農園体験プログラムや新商品を増やすことで多くの人に訪れてもらい、地域の農業振興に役立てたい」と話している。

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 ■南アルプス完熟農園

 今月は無休、10月から火曜定休(祝日は営業)。営業時間はマルシェが午前9時半~午後7時、レストランはランチが午前11時~午後3時半(受け付け終了は午後2時)、ディナー(土日祝日のみ)が午後5時~9時半(同8時)。レストランは予約可能。山梨県南アルプス市寺部2323の2、(電)055・284・0036。