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大井川鉄道に新社長就任 「トーマス頼み」脱却へ駅で地元野菜販売も

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大井川鉄道に新社長就任 「トーマス頼み」脱却へ駅で地元野菜販売も

 経営再建中の大井川鉄道は31日、北海道でホテル再生事業を手がけたエクリプス日高の前田忍社長(44)が同日付で社長に就任し、新スタートを切った。島田市で同日開いた会見で前田氏は、現在、好評を博している「きかんしゃトーマス号」に頼らない手法で経営再建を実現する方針を表明。有利子負債も重しとなる中で、次の一手が実を結ぶのか、注目される。

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 前田氏が収益の柱に据える方針を示したのが、既存のSLによる国内外からの観光事業。昨年度末の最終黒字の要因となるなど好調の「きかんしゃトーマス」をあしらったSLについては、「トーマス中心で再建計画を組んでいるわけではなく、SLを中心に収益を上げたい。イベント収入や客数もまだまだ伸ばせる余地がある」と指摘し、経営における「トーマス頼み」からの脱却をにおわせた。

 具体的には「東アジアの観光客は未開拓。伸び代がある」として海外旅行社へのPRを進めるとした。

 SLによる観光事業の強化に次ぐ経営再建に向けた「第2の矢」が駅で地元の野菜を販売するなどの流通事業の強化だ。「自治体や地域住民ら利害関係者と協同する」を経営方針の大枠に掲げ、具体策として地元の農産物を直接、駅の売店で販売する「駅前マルシェ(市場)」構想を挙げた。

 「顧客満足度を追求する総合サービス業への転換」も新たな経営方針に挙げ、顧客満足度の改善に向けたアイデアを直接、従業員から受け取る考えを示した。

 ただ、過労運転防止を目的にした日帰りバスツアーの規制で、首都圏からの日帰りバスツアーがほぼゼロとなるなど、経営を取り巻く環境は厳しい。脱「トーマス」によるこれらの施策が再建の起爆剤になるかはまだ見通せない状況だ。