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「サントリー地域文化賞」に呉・下蒲刈島島民の活動が受賞 広島

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「サントリー地域文化賞」に呉・下蒲刈島島民の活動が受賞 広島

 歴史と文化の薫り高い地域づくりを島民すべてが参加して進めている呉市・下蒲刈島の活動に「サントリー地域文化賞」を贈ることを決めたと26日、サントリー文化財団が発表した。同賞は昭和54年に制定され、37回目の今年は下蒲刈島を含め5件が選ばれた。同賞では正賞として盾、副賞として200万円が贈られる。

 同財団によると、下蒲刈島の活動が評価されたポイントは、多彩な文化活動と郷土愛を生み出す景観づくりに、多くの島民が参加していること。島では、毎月のクラシックコンサートや年1回の「朝鮮通信使再現行列」、島中を清掃する町内クリーン作業など、島全体を美しい庭園にする「ガーデンアイランド」づくりの活動が展開されている。

 活動の軸となるのは、コンサート会場でもある「蘭島閣美術館」など島内の文化・観光施設を管理、運営する公益財団法人「蘭島文化振興財団」だが、会場の設営や出演者、来場者のもてなしなどに多くの島民が協力することで、活動が継続しているという。

 島で活動が始まったのは呉市と合併する前の下蒲刈町だった昭和50年代。地域の歴史と文化を掘り起こすことで人が集まり、活気づくと考えた当時の竹内弘之町長(故人)が音頭を取って、同美術館や朝鮮通信使資料館などを建設。7期務めた竹内町長は平成に入って、「全島庭園化構想」を打ち上げた。

 受賞理由でも高く評価された美術館でのギャラリーコンサートが始まったのは平成13年1月。以来、毎月1回第3土曜日の開催を欠かさず、年内には180回目を迎える。これまでの出演者は、ピアニストの小山実稚恵さんやバイオリニストの大谷康子さんら。島民らの“おもてなし”に感銘を受けて「常連」になった音楽家も多い。入場料は美術館の入館料も含めて1500円(高校生以下は無料)で、昨年までは千円だった。

 受賞を受けて、蘭島文化振興財団の渡辺理一郎理事長は「島民みんなのもてなしの心がもらった賞。島を訪れてくれる人たちとの絆を大切にしながら、これからも地域づくりに取り組みたい」と話した。