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【新潟BRTを考える】(上) 乗り換え増、利用者に負担

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【新潟BRTを考える】
(上) 乗り換え増、利用者に負担

 新潟市のBRT(バス高速輸送システム)のスタートまで10日あまりとなった。新潟駅(中央区)-青山(西区)の「万代橋ライン」を走る連節バス(ツインくる)に関心が集まっているが、乗り換えが増えることや新しいバスルートについて市民への理解は進んでいない。BRTについて2回に分けて考えてみる。

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 ◆道路との段差大きく

 「娘は視覚障害があるので、外出には付き添いが必要。市の中心部に行くとき、乗り換えが増えたり、バスのルートが変わったりするので大変です」

 東区に住む女性(45)はこう話す。

 これまで郊外から新潟市内へ入る路線はほとんど、古町(中央区)付近まで乗り入れていた。BRT開業後は、朝夕の一部を除き、万代橋ラインとの乗り換え地点で打ち切りになる。

 一部を除き北区、東区方面からの便は新潟駅前や万代シテイバスセンター(同)、西区や南区方面は青山(西区)などで乗り換えが必要になる。

 乗り換えについて、篠田昭市長は「公共交通が乗り換えなしで発達した都市は聞いたことがない」として理解を求める。

 だが、乗り換えにはいくつかの困難がある。まず、バスの乗降だ。既存のバスは道路から床面まで20~70センチ程度、連節バスも20センチ程度の高さがあり、高齢者や障害者、乳幼児連れには厳しい段差だ。

 連節バスにはニーリングと呼ばれる車体を左側に傾ける機能があるが、段差がなくなるわけではない。スロープ板は装備されるが、手動で出し入れするため、車いす以外は原則利用できない。

 ◆「要望あれば改善」

 「BRT? ああ、オレンジ色の連結バスのことですか」

 県立大学生の男性(21)は聞き返した。

 男性は車を所有していないので、週3、4回はバスでアルバイトや買い物に古町へ出かける。BRT開業後、普段使う路線は乗り換えが必要になり、「バスの時間を調べたりすることになるので、特に天気が悪い時など面倒くさい。友達とも何のためだか分からないって話している」。

 乗り換え場所の環境も課題だ。万代シテイでは新潟空港(東区)や河渡(同)方面のバスは100メートル以上、青山でも最大90メートル歩く必要がある。

 冷暖房付きの待合室があるのは市役所前だけだ。他のバス停は屋根や風よけはあるものの、風雨や雪を完全に防ぐのは不可能だ。

 青山の停留所は、歩行者がようやくすれ違える幅の歩道に設置されている。隣接するイオン新潟青山店内のイートインスペースが「待合所」として提供されることになった。

 だが、バス停に近い東側の入り口から西側入り口近くにある待合所まで、店内を100メートル以上歩くことになり、どれだけ利用者がいるか疑問だ。

 乗り換え場所の環境整備について、市新交通推進課は「施設は暫定的なもので、利用者の要望があれば改善していく」と話している。