産経ニュース

NICCOパレスチナ事務所の秋本さん 住民に有機農業指南

地方 地方

記事詳細

更新


NICCOパレスチナ事務所の秋本さん 住民に有機農業指南

 パレスチナ西岸地区の人口約4千人のザバブデで、現地支援に取り組むNGO団体「日本国際民間協力会」(NICCO)のパレスチナ事務所のスタッフ、秋本泰孝さん(43)が一時帰国した際、京都市中京区のNICCO京都本部で活動内容について語った。

 現地事務所は日本人スタッフ2人と現地スタッフ2人の計4人。秋本さんは2013年1月から今年1月まで2年間にわたり、現地で農業指導などを行った。

 ザバブデはパレスチナ西岸地区の北に位置し、人口の約7割がキリスト教徒。11月から3月までの雨期の降水量が年間の約8割を占め、気温が40度近くまで上がる乾期に、深刻な水不足に陥るのが課題だった。

 秋本さんらは「土地は栄養分豊富な赤土。水不足を解決できれば、立派な作物が育つ」として農業用水を引き、現地の農業支援に取り組んだという。

 地元の農業組合と協力しながら、約25世帯約150人の農地約6ヘクタールを借り上げ、2キロ離れた水源から水道を設置し、500立方メートルの貯水池を建設。乾期でも水が使えるようにした。

 過酷な環境下で育たない野菜もあったというが、ブロッコリーや小麦、大麦、モロヘイヤなど、1年ほどで約50種類の作物が収穫できたという。

 パレスチナのなかでも、ザバブデのある北部地域は、特に貧しく、現地住民も出稼ぎに頼りながら生活をしていたため、有機農業を新たな収入源にしようという狙いだった。

 なかには、親子2人で熱心に作業をしてくれたケースもあり、秋本さんは「嬉しかった。ほかの10代の少年も毎日手伝ってくれた」と徐々に地元の人たちと打ち解けた様子を振り返った。

 収穫した作物は女性たちが加工食品にして地元のスーパーなどに販売。自分たちが収穫した小麦やハーブがきれいに包装されたのを見て、皆喜んだという。

 今年2月からはヨルダン事務所に勤務し、シリア難民の支援に携わっているという秋本さん。「ザバブデをきっかけに有機農業が広がって、少しでも人々の暮らしが良くなれば」と語った。