産経ニュース

【埼玉知事選】「最低投票率」返上なるか 自民「多選自粛」争点明確化

地方 地方

記事詳細

更新

【埼玉知事選】
「最低投票率」返上なるか 自民「多選自粛」争点明確化

 8月9日投開票の知事選では、平成23年の前回に24・89%と全国の知事選で最低を記録した投票率の回復が焦点の一つとなっている。前回候補を擁立しなかった自民県連は今回、現職の「多選自粛条例破り」を批判する新人候補を推薦。対立軸を明確にして組織戦を展開しており、投票率も「30%台回復」が期待されている。県選挙管理委員会も投票率が低い「埼玉都民」や若年層の関心を高めようと対策に懸命だ。

                   ◇

 知事選には、新人の元菓子製造会社社長、石川英行氏(52)▽4選を目指す現職の上田清司氏(67)=維新支持▽新人の元高校教諭、武田信弘氏(61)▽新人の県労働組合連合会議長、柴田泰彦氏(62)=共産推薦▽新人の元総務省消防庁審議官、塚田桂祐氏(58)=自民県連推薦=の無所属5人が立候補している。

 知事選の投票率は、4年に戦後初めて30%台まで落ち込んだ。衆院選と同日選だった12年は59・19%まで回復したが、8人が乱立し上田氏が初当選した15年は35・80%に低下した。

 過去2回で自民県連は公明県本部や民主県連とともに上田氏を支援。上田氏は共産系候補ら2人に圧勝したが、投票率は19年に27・67%と低迷。23年は全国の知事選で最低となった。

 今回は多選自粛条例破りの是非を選挙戦で問うとする上田氏を、塚田氏は自民の県議や国会議員らと徹底批判。柴田氏も「決めたことは守るべきだ」との立場で、さらに「安全保障関連法案成立を不安に思う無党派層」取り込みも目指す。

 埼玉大の松本正生社会調査研究センター長(政治意識論)は「組織力を持つ自民の候補擁立で、投票率は30%程度まで回復する可能性がある」とし、「条例破りの問題は県民の関心を高める材料になる。それを浸透させた上で政策論争を展開できれば、投票率はさらに向上する」と指摘する。

 前回知事選では都内に通勤・通学する埼玉都民が多い県南部で投票率が低かったため、県選管は8月3日からJRや西武鉄道などの車内で動画広告を流す。また、投票率が高齢者の3分の1程度だった若年層への波及を狙い、知事選公式サイトを充実させ、検索大手「ヤフー」のスマートフォン用サイトに広告を出す。

 松本氏は「前回と比べて投票率が上がれば、結果的に投票に行かなかった人たちの関心を呼び起こす刺激になる。今後につなげるためにも投票率の向上は非常に重要だ」と話している。(川畑仁志)