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【甲信越ある記】鉄の展示館(長野県坂城町) 日本刀の魅力と匠の技

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【甲信越ある記】
鉄の展示館(長野県坂城町) 日本刀の魅力と匠の技

 「刀匠のまち」。長野県坂城町は昭和30年代後半から、そう呼ばれるようになった。38年に刀匠として重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された宮入行平(1913~77年)を生んだ町だからだ。その偉業は全国の刀匠や2代目によって継承されているが、宮入を顕彰するとともに、鉄の文化の最高峰とも言える日本刀の素晴らしさと匠の技を後世に伝えるため、「鉄の展示館」は平成14年9月に開館した。最近は日本刀に萌える「刀女子ブーム」もあり、男性に限らず女性の来館者も増えているという。

 日本刀は主に(1)刀の反り、身幅などの姿(2)鉄を練り鍛えることで現れる地鉄(じかね)の模様(3)焼刃(やきば)土を表面に塗り、炉で熱して水で冷やす中で化学変化が起きて生じる刃文の形状-で評価される。刀匠が目指すのは、日本刀の頂点とされる平安末期から南北朝にかけての時代のものだが、製法に関する文献は残っていない。江戸時代の文献をもとに刀匠たちは試行錯誤を重ねながら制作する。その神秘への挑戦も日本刀の魅力だ。

 展示館は通常、宮入一門の作品や名刀の展覧会などを行う第1展示室、宮入の遺品や作品などを展示する宮入行平記念室、坂城町出身の刀匠などの作品を紹介する第2展示室から成る。現在は8月2日まで展覧会「日本刀の匠たち」が開かれており、今年出品された日本刀とその技術を堪能できる。10月6日から11月23日までは「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」の開催を予定。作品中に登場する「ロンギヌスの槍」が刀匠によって長さ3.32メートル、重さ22キロのスケールで再現されるなど、日本刀の技術を新たな面から鑑賞できる。(高橋昌之)

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 ■鉄の展示館 坂城町坂城6313の2。(電)0268・82・1128。北陸新幹線上田駅でしなの鉄道に乗り換えて坂城駅下車、徒歩約3分。車の場合は上信越自動車道坂城インターチェンジから約10分。開館時間は午前9時から午後5時、月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は一般400円、中学生以下無料(展覧会の際は別料金)。