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【九州の礎を築いた群像】ウチヤマHD(2)介護事業(下)

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【九州の礎を築いた群像】
ウチヤマHD(2)介護事業(下)

入所者が大きな声であいさつする「活力朝礼」。高齢者の表情は明るい

 「敗戦で何もかも失った日本を建て直したのは、この人たちじゃないか! 人生の先輩達を、こんな手荒にするなんて…」

 ウチヤマホールディングス(HD)創業者、内山文治(74)は激怒した。平成8年、介護事業参入を目指して、北九州市内のある介護施設を視察したときのことだった。

 ベッドに横たわるお年寄りの足と腕は、ベッドの柵にバンドで縛られていた。点滴用の管を入所者自身が外さないための予防措置だという。

 だが、納得できなかった。認知症の進行度合いなどにかかわらず、どの入所者も同じような措置を取られていたからだ。あっけらかんと説明する職員に、年配者に対する敬意は、みじんも感じられなかった。

 施設内はどこも、どんよりとした雰囲気が漂い、汗と尿が入り交じったような、すえた臭いが満ちていた。お年寄りの表情は暗かった。

 「俺なら、もっと違う介護施設を作ることができる。いや、作らないといけないんだ」

 施設を後にした内山は、介護事業への挑戦を決意した。それは子供のころ抱いた夢に近づく、第一歩でもあった。

× × × 

 内山は昭和16年、小倉市(現北九州市小倉北区)の米屋の次男に生まれた。両親は、クリミア戦争で敵味方分け隔てなく看護した「ナイチンゲール」の本を読み聞かせた。

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